学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §19 部位別各論 手関節 / QJ30P065
理由で解く 柔道整復師
手指伸筋腱の皮下断裂は、腱が骨の不整な面や骨棘に擦れ続けること、あるいは滑膜炎で腱の栄養・血行が障害されることで起こる。手関節ガングリオンは腱を摩耗させないため、1が原因として当てはまらず、これが答えとなる。
皮下断裂とは、開放創がないまま腱が切れる状態をいう。橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)後は、リスター結節部で長母指伸筋腱が骨折部の不整な骨面に擦れ、加えてこの部位の腱の血行が乏しいことから、受傷の数週間から数か月後に断裂することがある。関節リウマチでは、手関節背側の滑膜炎と尺骨頭の背側突出(尺骨頭症候群)により、小指・環指側の伸筋腱から順に断裂する。変形性手関節症でも関節縁の骨棘が同じように腱を摩耗させる。一方ガングリオンは関節包や腱鞘から生じるゼリー状の内容をもつ嚢腫で、手関節背側に弾性硬の腫瘤として触れ、部位によっては神経を圧迫することはあるが、腱を摩耗させて断裂させる原因にはならない。明らかな外傷がないのに指が伸ばせなくなった場合は、腱断裂と後骨間神経麻痺の鑑別が必要なので、早期に医療機関へつなぐ。
| 原因 | おもな機序 | 断裂しやすい腱・現れ方 |
|---|---|---|
| コーレス骨折後 | 骨折部の骨面やリスター結節での摩耗+腱の血行障害 | 長母指伸筋腱。母指の指節間関節が伸ばせない |
| 関節リウマチ | 手関節背側の滑膜炎+尺骨頭の背側突出 | 小指・環指側の伸筋腱から順に。中手指節関節が伸ばせない |
| 変形性手関節症 | 関節縁の骨棘による摩耗 | 手関節背側を通る伸筋腱 |
| 手関節ガングリオン | 関節包・腱鞘由来の嚢腫。腫瘤や神経圧迫は起こすが腱を摩耗させない | 腱断裂の原因にはならない |
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