学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §6 総論 スポーツ整形外科 / QJ30P059

理由で解く 柔道整復師

QJ30P059 整形外科学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問59
問題
急性のスポーツ外傷で正しいのはどれか。
選択肢
1 足関節が多い。
2 陸上競技で多い。
3 打撲が捻挫よりも多い。
4 繰り返し外力で生じる。
解答
正解1(足関節が多い。)
解説

急性のスポーツ外傷は1回の大きな外力で起こる損傷で、発生部位では足関節が最も多い。したがって1が正しい。

スポーツによる運動器の損傷は、1回の外力で生じる「スポーツ外傷」と、繰り返しの軽微な負荷が蓄積して生じる「スポーツ障害(オーバーユース)」に大きく分けられる。急性外傷の代表は足関節捻挫で、ジャンプの着地や急な切り返しで足部が内がえしを強制され、前距腓靱帯が損傷される。損傷の種類でも捻挫が最も多く、打撲・肉ばなれ・骨折がこれに続く。競技別では、接触プレーや急な方向転換の多いバスケットボール、サッカー、バレーボールなどの球技で急性外傷の発生が多い。急性期は疼痛・腫脹・皮下出血・不安定性を評価し、安静・冷却・圧迫・挙上を柱とした処置を行ったうえで、骨折や靱帯完全断裂が疑われれば医師の診察につなぐ。

✓ 1. 正しい
足関節が多い。
足関節は着地や方向転換のたびに体重と回旋の力を受ける。底屈位では幅の狭い距骨滑車後方部が関節窩に入って動揺性が増し、また内がえしの可動域が外がえしより大きく、外側靱帯(前距腓靱帯など)は内側の三角靱帯より弱い。このため内がえしが強制されやすく、部位別の急性スポーツ外傷では足関節(とくに足関節捻挫)が最も多い。
✗ 2. 誤り
陸上競技で多い。
陸上競技は同じ動作を反復する種目が中心で、疲労骨折やシンスプリント、アキレス腱障害といった慢性のスポーツ障害が主体になる。1回の外力で生じる急性外傷は、接触と切り返しの多い球技で多い。
✗ 3. 誤り
打撲が捻挫よりも多い。
順序が逆で、損傷の種類では捻挫が最も多く、打撲はその次に位置する。関節に生理的範囲を超える動きが強制される場面がスポーツ中に非常に多いことが理由である。
✗ 4. 誤り
繰り返し外力で生じる。
繰り返しの外力で生じるのはスポーツ障害(オーバーユース障害)である。急性のスポーツ外傷は、受傷の瞬間が本人にもはっきり分かる1回の大きな外力によって起こる。
ポイント
  • 問題文が「外傷」か「障害」かをまず確認する。外傷=1回の外力、障害=繰り返しの外力。
  • 部位別では足関節が最多。内がえし強制による前距腓靱帯損傷が代表例。
  • 内がえし捻挫が多い理由は3つ。①底屈位では幅の狭い距骨滑車後方部が関節窩に入り動揺性が増す、②内がえしの可動域が外がえしより大きい、③外側靱帯が内側の三角靱帯より弱い。
  • 損傷の種類では捻挫が最多で、打撲・肉ばなれ・骨折が続く。
  • 急性外傷は球技(バスケットボール、サッカー、バレーボールなど)に多く、陸上競技は障害が中心。
  • 急性期は安静・冷却・圧迫・挙上を行い、不安定性や強い圧痛があれば医師の診察につなぐ。
比較表
項目急性のスポーツ外傷スポーツ障害(慢性)
発生機序1回の大きな外力繰り返しの軽微な負荷(使いすぎ)
発症のしかた受傷の瞬間がはっきりしているいつからか不明瞭で、徐々に悪化する
代表例足関節捻挫、肉ばなれ、脱臼、骨折疲労骨折、シンスプリント、上腕骨外側上顆炎、野球肩、膝蓋腱障害
多い競技バスケットボール、サッカー、バレーボールなど接触・切り返しの多い球技陸上競技、水泳、野球など同一動作の反復が多い競技
対応の基本急性期処置(安静・冷却・圧迫・挙上)と評価練習量の調整、フォームや用具の見直し、柔軟性・筋力の改善
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