学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §6 失血と輸血・輸液 / QJ30P050

理由で解く 柔道整復師

QJ30P050 外科学概論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問50
問題
輸血する際の指標で誤っているのはどれか。
選択肢
1 血圧
2 呼吸数
3 尿量
4 中心静脈圧
解答
正解2(呼吸数)
解説

輸血の必要性と効果は、循環血液量と臓器灌流を映す指標で判断する。呼吸数は全身状態の把握には役立つが、輸血量を決める直接の指標としては挙げられない。

出血に対して輸血を行うかどうか、どこまで行うかは、血圧・脈拍などのバイタルサイン、時間尿量、中心静脈圧といった循環動態と、ヘモグロビン値・ヘマトクリット値を組み合わせて判断する。尿量は腎血流すなわち主要臓器の灌流を反映するため、およそ0.5〜1 mL/kg/時が保たれているかが「血液が臓器に届いているか」の実用的な目安になる。中心静脈圧は心臓に戻ってくる血液量(前負荷)を表し、低ければ容量不足、輸液・輸血で上がってくれば補充が効いていると読める。これに対し呼吸数は、低酸素血症や代謝性アシドーシスの代償で増減する呼吸機能の指標であり、循環血液量そのものを示す数値ではない。ショックの重症度評価では有用な所見だが、輸血の指標として並べるには性質が異なる。

✓ 2. これが誤り(正解)
呼吸数
呼吸数は換気・酸素化やアシドーシスの代償を反映する呼吸系の指標で、循環血液量の過不足を直接表さない。全身状態の評価には使うが、輸血の適応や効果判定の指標としては挙げられない。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
血圧
循環血液量が減れば収縮期血圧は低下し、脈圧も狭くなる。輸血・輸液で回復するかを追える基本的な指標である。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
尿量
尿量は腎血流=臓器灌流を反映する。おおむね0.5〜1 mL/kg/時が保たれているかを目安に、循環が回復したかを判断できる。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
中心静脈圧
上大静脈〜右心房の圧(中心静脈圧)で、心臓に戻る血液量(前負荷)を表す。低値は容量不足を示し、補充に伴う上昇で輸液・輸血の効果を確認できる。
ポイント
  • 輸血の指標は「循環血液量と臓器灌流を映すもの」=血圧・脈拍・尿量・中心静脈圧+Hb/Ht値。
  • 尿量0.5〜1 mL/kg/時は、腎血流が保たれている=臓器に血が届いている実用的な目安。
  • 中心静脈圧は前負荷の指標。低ければ容量不足、補充で上昇すれば効いている。
  • 呼吸数は呼吸機能・アシドーシス代償の指標。ショックの重症度評価には有用だが、輸血量の判断材料ではない。
  • 単独の数値で決めず、複数の指標の推移(トレンド)で判断するのが実際の運用。
比較表
指標何を反映するか輸血判断での位置づけ
血圧・脈拍循環動態・交感神経の代償基本のバイタル指標
尿量腎血流=臓器灌流0.5〜1 mL/kg/時が目安
中心静脈圧前負荷(戻ってくる血液量)容量不足の判定と補充効果の確認
Hb・Ht値酸素運搬能赤血球輸血の直接的な指標
呼吸数換気・酸素化、アシドーシス代償全身状態の把握には有用だが輸血の指標ではない
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