学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §4 腫瘍 / QJ30P049

理由で解く 柔道整復師

QJ30P049 外科学概論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問49
問題
腫瘍診断の検査の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 細胞診悪性度判定
2 超音波検査侵襲的検査
3 MRI検査放射線被曝
4 腫瘍マーカー早期癌検出
解答
正解1(細胞診悪性度判定)
解説

細胞診は、採取した細胞の異型度から良性・悪性とその程度を判定する検査である。したがって「細胞診」と「悪性度判定」の組合せが正しい。

細胞診では、擦過・穿刺吸引・喀痰などで得た細胞を染色し、核の腫大、核/細胞質比の増大、クロマチンの濃染や不整といった異型所見を顕微鏡で評価する。パパニコロウ分類のようにクラスI〜Vで良性から悪性までを段階づけるのが典型で、身体への負担が小さくスクリーニングに向く。ただし組織型の確定や浸潤の有無までは判断できないため、確定診断は組織診(生検)で行う、という役割分担がある。他の3つは検査の性質そのものを取り違えた組合せで、超音波は非侵襲的、MRIは磁場と電磁波を用いるので放射線被曝がなく、腫瘍マーカーは早期癌では上昇しにくい。なお本問の選択肢は組合せを示す区切り記号が印字されておらず、それぞれ「細胞診-悪性度判定」「超音波検査-侵襲的検査」「MRI検査-放射線被曝」「腫瘍マーカー-早期癌検出」の組合せとして読む。

✓ 1. 正しい
細胞診悪性度判定
「細胞診-悪性度判定」の組合せ。核の腫大・核/細胞質比の増大・クロマチン異常などの細胞異型を評価し、パパニコロウ分類などで良悪性と異型の程度を判定する。細胞診の目的そのものを表した正しい組合せ。
✗ 2. 誤り
超音波検査侵襲的検査
「超音波検査-侵襲的検査」の組合せ。超音波は体表からプローブを当てるだけで、放射線被曝も切開・穿刺も伴わない非侵襲的検査である。繰り返し実施でき、外傷のFASTのようにベッドサイドでも使える。
✗ 3. 誤り
MRI検査放射線被曝
「MRI検査-放射線被曝」の組合せ。MRIは強い磁場と電磁波(ラジオ波)で水素原子核の信号を画像化する装置で、電離放射線を使わないため被曝はない。被曝を伴うのはX線単純撮影・CT・核医学検査である。
✗ 4. 誤り
腫瘍マーカー早期癌検出
「腫瘍マーカー-早期癌検出」の組合せ。腫瘍マーカーは腫瘍量がある程度にならないと血中で上昇せず、早期癌では陰性のことが多い。また炎症など良性疾患でも上昇しうる。主な用途は治療効果の判定と再発のモニタリングである。
ポイント
  • 細胞診=細胞の異型度から良悪性を判定(スクリーニング向き)。確定診断は組織診(生検)。
  • 超音波は非侵襲・無被曝・繰り返し可能。ベッドサイドでも使える。
  • MRIは磁場と電磁波を使うので放射線被曝なし。被曝するのはX線・CT・核医学。
  • 腫瘍マーカーは早期癌では陽性率が低い。治療効果判定・再発監視が本来の役割。
  • 「感度・特異度が十分か」を軸に、各検査を早期発見用か経過観察用かで整理すると覚えやすい。
比較表
検査侵襲放射線被曝主な役割
細胞診小(擦過・穿刺)なし異型度・良悪性の判定、スクリーニング
組織診(生検)ありなし確定診断(組織型・浸潤の有無)
超音波非侵襲なし形態評価、腹腔内液体貯留の検出
CT非侵襲(造影は侵襲小)あり広範囲の形態・進展度評価
MRI非侵襲なし軟部組織のコントラストに優れる
腫瘍マーカー採血のみなし治療効果判定・再発モニタリング
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