学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §3 外科的感染症 / QJ30P048
理由で解く 柔道整復師
蜂窩織炎は、皮下の疎性結合組織に境界不明瞭に広がる、びまん性の化膿性炎症である。膿が一か所に限局しない点が膿瘍との決定的な違いになる。
起因菌はA群β溶血性レンサ球菌や黄色ブドウ球菌といった細菌であり、真菌が原因となることはまずない。とくにレンサ球菌はヒアルロニダーゼやストレプトキナーゼなどの酵素を産生し、結合組織の基質やフィブリンの壁を溶かしてしまう。そのため膿が袋状に囲い込まれず、面として横へ広がっていく。臨床的には境界のはっきりしない発赤・熱感・腫脹・圧痛を示し、発熱や倦怠感などの全身症状、所属リンパ節腫脹を伴うことも多い。治療は抗菌薬の全身投与が基本で、患部の安静と挙上を併用する。膿瘍を形成した部分があれば、そこは切開排膿を行う。これに対し膿瘍は膿が被膜(膿瘍壁)に包まれて限局した状態で、抗菌薬が届きにくいため切開排膿が原則となる。
| 蜂窩織炎 | 膿瘍 | |
|---|---|---|
| 膿のたまり方 | 限局せずびまん性に広がる | 膿瘍壁に囲まれて限局 |
| 境界 | 不明瞭 | 明瞭 |
| 触診所見 | 硬い浸潤、圧痛 | 波動を触れる |
| 主な起因菌 | A群β溶血性レンサ球菌が多い | 黄色ブドウ球菌が多い |
| 治療の基本 | 抗菌薬の全身投与、安静・挙上 | 切開排膿(+抗菌薬) |
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