学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §18 主要な疾患 腎・尿路疾患 / QJ30P040

理由で解く 柔道整復師

QJ30P040 一般臨床医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問40
問題
急性腎盂腎炎でみられないのはどれか。
選択肢
1 黄疸
2 発熱
3 頻尿
4 肋骨・脊椎角部(CVA)の叩打痛
解答
正解1(黄疸)
解説

急性腎盂腎炎は「膀胱炎症状+悪寒戦慄を伴う高熱+患側のCVA叩打痛」が組になって現れます。黄疸は肝胆道系の徴候なので、みられないのは1です。

多くは大腸菌などの腸内細菌が尿道から膀胱へ入り、さらに尿管を逆行して腎盂・腎実質に達する上行性感染です。尿道が短い女性に多く、尿路結石や前立腺肥大などによる尿の停滞があると起こりやすくなります。膀胱にとどまる段階(急性膀胱炎)では頻尿・排尿痛・尿混濁が主で発熱は目立ちませんが、腎に及ぶと38度以上の高熱と患側の腰背部痛が加わり、肋骨脊柱角(CVA)を軽く叩くと響くような痛みが出ます。尿検査では膿尿と細菌尿を認めます。黄疸はビリルビン代謝の障害、すなわち溶血・肝細胞障害・胆道閉塞で生じるもので、腎盂腎炎の経過には現れません。施術所で高熱とCVA叩打痛を認めたら、その部位への施術は行わず、速やかに医療機関の受診を勧めてください。

✓ 1. みられない(これが答え)
黄疸
黄疸は血中ビリルビンの上昇による皮膚・眼球結膜の黄染で、溶血・肝細胞障害・胆道閉塞が原因です。腎盂腎炎の症状ではないため、これが設問の答えになります。
✗ 2. みられる(答えではない)
発熱
悪寒戦慄を伴う38度以上の高熱が典型です。膀胱炎との最大の違いがこの発熱で、腎実質まで炎症が及んだことを示します。
✗ 3. みられる(答えではない)
頻尿
上行性感染では先行または併存する膀胱炎症状として、頻尿・排尿痛・残尿感がみられます。
✗ 4. みられる(答えではない)
肋骨・脊椎角部(CVA)の叩打痛
第12肋骨と脊柱がつくる角を軽く叩くと患側に響く痛みが出ます。腎の炎症を示す身体所見で、腰背部痛との鑑別に有用です。
ポイント
  • 急性腎盂腎炎の三本柱=高熱(悪寒戦慄を伴う)・患側腰背部痛とCVA叩打痛・膀胱炎症状
  • 起因菌の多くは大腸菌で、尿道から膀胱・尿管を逆行する上行性感染。女性に多い。
  • 尿所見は膿尿・細菌尿。血液では白血球増加とCRP上昇。
  • 黄疸は肝胆道系(溶血・肝細胞障害・胆道閉塞)の徴候であり、腎盂腎炎では現れない。
  • 腰背部痛の患者でCVA叩打痛と発熱があれば施術を控え、医療機関への受診を勧める。
比較表
急性膀胱炎急性腎盂腎炎
発熱乏しい38度以上、悪寒戦慄を伴う
排尿症状頻尿・排尿痛・残尿感同様の症状を伴うことが多い
疼痛部位下腹部・恥骨上患側の腰背部(CVA叩打痛陽性)
全身状態保たれる倦怠感・悪心、重症化で敗血症
黄疸なしなし(肝胆道疾患の徴候)
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