学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §17 主要な疾患 膠原病 / QJ30P039

理由で解く 柔道整復師

QJ30P039 一般臨床医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問39
問題
皮膚筋炎の症状で誤っているのはどれか。
選択肢
1 近位筋の筋力低下
2 ヘリオトロープ疹
3 蝶形紅斑
4 筋肉痛
解答
正解3(蝶形紅斑)
解説

蝶形紅斑は全身性エリテマトーデス(SLE)の皮疹です。皮膚筋炎の皮疹はヘリオトロープ疹とゴットロン徴候なので、これが設問の求める誤りになります。

皮膚筋炎は特徴的な皮疹と筋炎を併せもつ自己免疫性の炎症性筋疾患です。筋症状は体幹に近い近位筋が中心で、階段の昇降がつらい、髪を洗うために腕を上げられない、椅子から立ち上がりにくいといった訴えになります。筋の圧痛や筋肉痛を伴い、血液検査ではCK・アルドラーゼが上昇します。皮膚所見の代表は、上眼瞼が浮腫状に紫紅色となるヘリオトロープ疹と、手指関節の伸側にできる角化性紅斑のゴットロン徴候で、ほかにV徴候、ショール徴候、機械工の手が知られます。頬から鼻梁にかけて蝶が羽を広げたように広がる蝶形紅斑はSLEの所見で、こちらは日光過敏、関節痛、腎障害(ループス腎炎)などを伴います。皮膚筋炎では間質性肺炎や、成人例での悪性腫瘍合併にも注意が必要です。

✓ 3. これが誤り(=正解)
蝶形紅斑
頬部から鼻梁に広がる蝶形紅斑はSLEの代表的な皮疹で、皮膚筋炎の症状ではありません。したがってこの選択肢が設問の答えになります。
✗ 1. 皮膚筋炎の症状(答えではない)
近位筋の筋力低下
頸部、肩甲帯、骨盤帯といった近位筋が左右対称に障害されます。立ち上がりや上肢の挙上が困難になる典型症状で、答えにはなりません。
✗ 2. 皮膚筋炎の症状(答えではない)
ヘリオトロープ疹
上眼瞼にみられる浮腫性の紫紅色紅斑で、皮膚筋炎に特徴的な皮疹です。ゴットロン徴候とともに診断の手がかりになります。
✗ 4. 皮膚筋炎の症状(答えではない)
筋肉痛
筋の炎症により筋肉痛や把握痛を生じます。CK・アルドラーゼの上昇を伴うことが多く、皮膚筋炎の症状として矛盾しません。
ポイント
  • 皮膚筋炎の皮疹=ヘリオトロープ疹(上眼瞼の紫紅色紅斑)とゴットロン徴候(手指関節伸側の角化性紅斑)。
  • 蝶形紅斑はSLE。頬から鼻梁に広がり、日光過敏・関節痛・ループス腎炎を伴う。
  • 筋症状は近位筋優位・左右対称。階段昇降、洗髪、立ち上がりの困難として現れる。
  • 検査ではCK・アルドラーゼ上昇、抗Jo-1抗体などの筋炎特異的自己抗体、筋電図・MRIで評価する。
  • 成人発症例では悪性腫瘍の合併と間質性肺炎に注意。近位筋の筋力低下と皮疹が同時にあれば医療機関での精査を勧める。
比較表
皮膚筋炎全身性エリテマトーデス(SLE)
特徴的な皮疹ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候蝶形紅斑、円板状皮疹
筋症状近位筋の筋力低下、筋肉痛関節痛が主体、筋力低下は乏しい
主な合併症間質性肺炎、悪性腫瘍(成人)ループス腎炎、漿膜炎、中枢神経病変
検査CK・アルドラーゼ上昇、抗Jo-1抗体抗DNA抗体、抗Sm抗体、補体低下
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。