学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 一般臨床医学 ▸ §3 診察各論 視診 / QJ30P032
理由で解く 柔道整復師
羽ばたき振戦は肝性脳症の代表的な神経所見です。手関節を背屈させて保持させると、数秒ごとに手が落ちる動きが繰り返されます。
肝硬変などで肝の解毒能が落ちると、腸で産生されたアンモニアなどが処理されずに脳へ達し、代謝性脳症を起こします。これが肝性脳症で、初期には昼夜逆転や性格変化、進むと傾眠から昏睡へ至ります。羽ばたき振戦は、両上肢を前に伸ばして手関節を背屈させたまま保つよう指示すると、姿勢を保つ筋収縮が一瞬途切れて手がストンと落ち、また戻る、を繰り返す動きです。振戦という名前ですが、実際には筋活動が瞬間的に消える現象(陰性ミオクローヌス)で、リズムは不規則です。腎不全(尿毒症)や高二酸化炭素血症(CO2ナルコーシス)、ウィルソン病などの代謝性脳症でも同じ所見が出ます。ふるえを見たら、どの疾患のどの型のふるえかを分けて考える習慣をつけましょう。
| ふるえの型 | 出現する場面 | 代表疾患 |
|---|---|---|
| 羽ばたき振戦 | 手関節背屈位の保持中に不規則に落ちる | 肝性脳症、尿毒症、CO2ナルコーシス |
| 安静時振戦 | 力を抜いているとき(4〜6Hz) | パーキンソン病 |
| 姿勢時の微細振戦 | 手指を伸展保持したとき | 甲状腺機能亢進症、本態性振戦 |
| 企図振戦 | 目標に近づくほど大きくなる | 小脳障害 |
| テタニー(振戦ではない) | 持続的な筋攣縮、助産師手位 | 低カルシウム血症 |
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