学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §9 診察各論 反射検査 / QJ30P031

理由で解く 柔道整復師

QJ30P031 一般臨床医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問31
問題
陽性のとき錐体路障害を示唆するのはどれか。
選択肢
1 腹壁反射
2 足底反射
3 アシュネル (Aschner)反射
4 チャドック (Chaddock)反射
解答
正解4(チャドック (Chaddock)反射)
解説

チャドック反射は、陽性になると錐体路障害を示す病的反射です。バビンスキー反射と同じ意味をもつ仲間だと押さえます。

病的反射とは、健常な成人では出現せず、錐体路が障害されたときに現れる反射です。錐体路は脊髄前角細胞を抑制的にコントロールしていますが、これが断たれると抑制が外れ、足底刺激に対して母趾が背屈し、他趾が扇状に開く反応が出ます。バビンスキー反射が代表で、刺激する場所を変えただけの同じ意味の反射として、外果の下を後方から前方へこするチャドック反射、下腿前面を上から下へ圧迫するオッペンハイム反射、下腿三頭筋を握るゴードン反射などがあります。一方、腹壁反射や挙睾筋反射は健常でも認められる表在反射で、錐体路障害では減弱・消失するのが特徴です。足底反射も表在反射ですが、こちらは消えるのではなく反応の質が変わります。すなわち錐体路障害では、正常な足趾の底屈反応が失われ、代わりに母趾背屈(バビンスキー徴候)が出現します。「陽性で異常」なのか「消失で異常」なのか、そして「反応の向きが変わる」のはどれかを取り違えないことが、この問題の勘どころです。

✓ 4. 正しい
チャドック (Chaddock)反射
外果の下を後方から前方へこすると母趾が背屈する病的反射です。バビンスキー反射と同義に扱われ、陽性なら錐体路障害を示唆します。
✗ 1. 誤り
腹壁反射
健常者で認められる表在反射です。錐体路障害では減弱ないし消失するため、「陽性で異常」ではなく「消失で異常」と判断します。
✗ 2. 誤り
足底反射
足底の外側をこすると足趾が底屈するのが正常な足底反射です。錐体路が障害されると、この正常な底屈反応が失われて母趾背屈(バビンスキー徴候)に変わります。足底反射そのものが「陽性で錐体路障害を示す」検査ではないため、本問の答えにはなりません。
✗ 3. 誤り
アシュネル (Aschner)反射
眼球を圧迫すると迷走神経を介して脈拍が遅くなる自律神経反射です。錐体路とは無関係で、心拍への影響もあるため安易に行うべき検査ではありません。
ポイント
  • 病的反射(陽性=異常):バビンスキー、チャドック、オッペンハイム、ゴードン、シェーファーなど。いずれも母趾背屈が陽性所見。
  • チャドック反射は外果の下を後方から前方へこする。刺激部位が違うだけでバビンスキーと同じ意味。
  • 表在反射(消失=異常):腹壁反射、挙睾筋反射。錐体路障害で減弱・消失する。
  • 足底反射は表在反射だが別扱い。消失するのではなく反応の質が変わる(正常=足趾底屈 → 錐体路障害=母趾背屈=バビンスキー徴候)。
  • アシュネル反射は迷走神経を介する自律神経反射で、錐体路の評価には使わない。
  • 病的反射に加えて腱反射亢進・痙性麻痺・クローヌスがそろえば中枢性麻痺を強く疑い、医療機関の画像評価につなげる。
比較表
反射分類異常となる所見意味
チャドック反射病的反射陽性(母趾背屈)錐体路障害
バビンスキー反射病的反射陽性(母趾背屈)錐体路障害
腹壁反射表在反射減弱・消失錐体路障害
挙睾筋反射表在反射減弱・消失錐体路障害
足底反射表在反射(反応の質が変わる)正常の足趾底屈が失われ、母趾背屈に変化錐体路障害(=バビンスキー徴候)
アシュネル反射自律神経反射迷走神経緊張の評価
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