学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §9 診察各論 反射検査 / QJ29P034

理由で解く 柔道整復師

QJ29P034 一般臨床医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問34
問題
病的反射はどれか。
選択肢
1 角膜反射
2 腹壁反射
3 アシュネル反射
4 チャドック反射
解答
正解4(チャドック反射)
解説

チャドック反射は錐体路障害があるときに出現する病的反射で、正常では現れない。残る3つはいずれも健常者でもみられる生理的な反射である。

病的反射とは、上位運動ニューロン(錐体路)が障害されて脊髄反射に対する抑制が外れた結果、正常では抑え込まれている原始的な反応が表に出てきたものをいう。下肢ではバビンスキー反射(足底の外側を踵から母趾側へこする)が代表で、母趾の背屈と他趾の開扇を陽性所見とする。同じ反応を別の刺激部位から引き出すのがチャドック反射(外果の下方を後方から前方へこする)、オッペンハイム反射(脛骨稜を上から下へ強くこすり下ろす)、ゴードン反射(下腿三頭筋を強く握る)などで、いずれも母趾背屈が陽性である。上肢ではホフマン反射やトレムナー反射が用いられる。逆に、錐体路障害では表在反射である腹壁反射や挙睾筋反射は消失・減弱する。「病的反射は出たら異常、表在反射は消えたら異常」という向きの違いを押さえておくと混同しない。

✓ 4. 正しい
チャドック反射
外果の下方を後方から前方へこすると母趾が背屈するもので、バビンスキー反射と同じく錐体路障害を示す病的反射である。健常者では出現せず、陽性なら上位運動ニューロンの障害を疑う。
✗ 1. 誤り
角膜反射
角膜に軽く触れると両眼が閉じる脳幹反射で、求心路は三叉神経第1枝(眼神経)、遠心路は顔面神経、中枢は橋にある。健常者に必ずみられる生理的な防御反射であり、むしろ消失したときに脳幹障害や意識障害を疑う。
✗ 2. 誤り
腹壁反射
腹壁の皮膚をこすると同側の腹筋が収縮して臍が刺激側へ引かれる表在反射で、反射中枢はT7〜T12に分布する。正常でみられる反射であり、錐体路障害では出現するのではなく消失・減弱する点が病的反射と逆である。
✗ 3. 誤り
アシュネル反射
眼球を圧迫すると迷走神経の緊張が高まって心拍数が低下する眼球心臓反射で、自律神経反射の一つである。健常者にもみられる生理的反射であり、錐体路障害の指標にはならない。
ポイント
  • 病的反射=錐体路(上位運動ニューロン)障害で抑制が外れて出現する。正常では出ない。
  • 下肢の病的反射:バビンスキー、チャドック、オッペンハイム、ゴードン、シェファー。いずれも母趾背屈が陽性。
  • 上肢の病的反射:ホフマン、トレムナー、ワルテンベルグ。
  • 表在反射(腹壁反射・挙睾筋反射)は錐体路障害で「消失・減弱」する。病的反射とは向きが逆。
  • 角膜反射(三叉神経→顔面神経、中枢は橋)とアシュネル反射(眼球心臓反射)は生理的反射。
比較表
反射分類刺激と反応異常となるのは
チャドック反射病的反射外果下方を後→前にこする→母趾背屈出現したとき(錐体路障害)
バビンスキー反射病的反射足底外側を踵→母趾側へこする→母趾背屈・開扇出現したとき(錐体路障害)
角膜反射脳幹反射(生理的)角膜への接触→両眼閉眼消失したとき(脳幹障害)
腹壁反射表在反射(生理的)腹壁をこする→同側腹筋収縮消失・減弱したとき(錐体路障害)
アシュネル反射自律神経反射(生理的)眼球圧迫→迷走神経性の徐脈
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