学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §9 診察各論 反射検査 / QJ29P033

理由で解く 柔道整復師

QJ29P033 一般臨床医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問33
問題
T1レベルの脊髄を含む腱反射はどれか。
選択肢
1 上腕二頭筋反射
2 腕橈骨筋反射
3 回内筋反射
4 膝蓋腱反射
解答
正解3(回内筋反射)
解説

T1レベルの脊髄を反射弓に含むのは回内筋反射(C6〜T1)。上肢の腱反射のなかで最も尾側の髄節まで及ぶ反射である。

腱反射は、腱を叩打された筋の筋紡錘が急に伸ばされ、その情報がIa線維で脊髄後根から入り、同じ髄節のα運動ニューロンに直接つながって同じ筋を収縮させる単シナプス反射である。経路が単純なので、反射が出るかどうかで反射弓の通る髄節・末梢神経の状態を推し量ることができる。上肢の腱反射は上腕二頭筋反射C5〜C6、腕橈骨筋反射C5〜C6、上腕三頭筋反射C7〜C8、回内筋反射C6〜T1と、支配髄節が上から下へ順にずれていく並びになっており、T1まで届くのは回内筋反射だけである。下肢は膝蓋腱反射L2〜L4、アキレス腱反射S1〜S2。数字を丸暗記するより「上肢は二頭筋・腕橈骨筋(C5-C6)→三頭筋(C7-C8)→回内筋(〜T1)と段階的に下がる」という並び順で捉えると再現しやすい。

✗ 1. 該当しない
上腕二頭筋反射
肘窩の上腕二頭筋腱に検者の母指を当てて叩打し、肘関節が屈曲するのをみる反射。反射中枢はC5〜C6で、末梢は筋皮神経が担う。T1は含まないため設問の条件に合わない。C5〜C6神経根症の評価に用いられる。
✗ 2. 該当しない
腕橈骨筋反射
橈骨遠位部(腕橈骨筋腱の付着側)を叩打し、肘関節屈曲と前腕回外をみる反射。反射中枢はC5〜C6で、末梢は橈骨神経が担う。上腕二頭筋反射と同じ髄節レベルであり、T1は含まない。
✓ 3. 正しい
回内筋反射
前腕を軽く回外位に保って上腕骨内側上顆付近ないし橈骨茎状突起部を叩打し、前腕の回内をみる反射で、主に円回内筋(正中神経支配)が反応する。反射中枢はC6〜T1とされ、上肢の腱反射のなかで最も尾側の髄節まで含むため、T1レベルを含む反射はこれになる。下位頸髄〜上位胸髄レベルの評価に役立つ。
✗ 4. 該当しない
膝蓋腱反射
膝蓋腱を叩打して大腿四頭筋が収縮し、膝関節が伸展する反射。反射中枢はL2〜L4で、末梢は大腿神経が担う。下肢の反射であり、T1とは無関係である。
ポイント
  • 腱反射は筋紡錘→Ia線維→α運動ニューロンの単シナプス反射。反射弓の通る髄節がそのまま検査対象になる
  • 上肢は段階的に下がる:上腕二頭筋・腕橈骨筋 C5-C6 → 上腕三頭筋 C7-C8 → 回内筋 C6-T1
  • T1まで含むのは回内筋反射のみ。円回内筋(正中神経)が反応する
  • 下肢は膝蓋腱反射 L2-L4、アキレス腱反射 S1-S2
  • 反射の低下・消失は反射弓(末梢神経・後根・前角細胞)の障害、亢進は上位運動ニューロン障害を示唆する
  • 反射が出にくいときは、被検者に力を抜いてもらったうえでイェンドラシック手技などの増強法を用いてから判定する
比較表
腱反射反射中枢(髄節)関与する末梢神経みられる反応
上腕二頭筋反射C5〜C6筋皮神経肘関節屈曲
腕橈骨筋反射C5〜C6橈骨神経肘関節屈曲・前腕回外
上腕三頭筋反射C7〜C8橈骨神経肘関節伸展
回内筋反射C6〜T1正中神経前腕回内
膝蓋腱反射L2〜L4大腿神経膝関節伸展
アキレス腱反射S1〜S2脛骨神経足関節底屈
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