学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §2 公衆衛生 / QJ30P004

理由で解く 柔道整復師

QJ30P004 衛生学・公衆衛生学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問4
問題
総患者数が最も多いのはどれか。
選択肢
1 悪性新生物
2 高血圧性疾患
3 糖尿病
4 脳血管疾患
解答
正解2(高血圧性疾患)
解説

患者調査の総患者数は、高血圧性疾患が他を大きく引き離して最も多い。正答は2。

総患者数とは、調査日に受診していない人も含め、継続的に医療を受けていると推計される患者の数である。第30回(2022年3月実施)の出題時点で最新だった平成29年患者調査では、高血圧性疾患が約993万7千人、糖尿病が約328万9千人、悪性新生物が約178万2千人、脳血管疾患が約111万5千人であった。高血圧が突出する理由は、自覚症状に乏しいまま有病者数そのものが極めて多く、いったん治療が始まると降圧薬の服用と定期通院が長期に続くためである。一方で悪性新生物や脳血管疾患は死因順位では上位に来るが、総患者数では高血圧に遠く及ばない。「死因の順位」と「患者数の順位」はまったく別の物差しなので、混同しないよう分けて覚える。

✓ 2. 正しい
高血圧性疾患
約993万7千人(平成29年患者調査)で、2位の糖尿病の約3倍にあたる。無症状で経過しながら通院・服薬が長期化するという疾患特性が、そのまま総患者数の大きさに直結している。生活習慣病のうち「患者数を問われたら高血圧」と押さえておく。
✗ 1. 誤り
悪性新生物
約178万2千人で、選択肢の中では高血圧性疾患・糖尿病に次ぐ。死因では第1位を占めるため最多と誤りやすいが、総患者数では高血圧性疾患の5分の1程度にとどまる。死因順位と患者数順位を区別して整理する。
✗ 3. 誤り
糖尿病
約328万9千人で第2位。高血圧と同じく長期の通院・服薬を要する生活習慣病だが、有病者数の規模で高血圧性疾患には届かない。なお国民健康・栄養調査でいう「糖尿病が強く疑われる者」は約1000万人と推計されており、実際に受療している人はその一部にとどまる点も押さえたい。
✗ 4. 誤り
脳血管疾患
約111万5千人で、選択肢の中では最も少ない。発症数そのものが高血圧の有病者数より桁違いに小さいうえ、急性期を過ぎた後は介護サービスに移行する例も多い。高血圧は脳血管疾患の最大の危険因子であり、「上流に高血圧、下流に脳血管疾患」という関係で捉えると数の差も納得しやすい。
ポイント
  • 総患者数の第1位は高血圧性疾患。平成29年患者調査で約993万7千人と突出
  • 順位は 高血圧性疾患>糖尿病(約329万人)>悪性新生物(約178万人)>脳血管疾患(約112万人)
  • 死因順位(悪性新生物→心疾患→脳血管疾患)とは別の物差し。混同しないこと
  • 総患者数=調査日に受診していない者も含む継続的受療者の推計値。患者調査は3年ごとに実施
  • 高血圧が多い理由は「無症状で有病者が多い+服薬と通院が長期に続く」
比較表
疾患総患者数(平成29年患者調査)同年の死因順位
高血圧性疾患約993万7千人(1位)上位5位に入らない
糖尿病約328万9千人(2位)上位5位に入らない
悪性新生物約178万2千人(3位)第1位
脳血管疾患約111万5千人(4位)第3位
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。