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理由で解く 柔道整復師

QJ30P003 衛生学・公衆衛生学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問3
問題
疫学研究方法でエビデンスのレベルが最も高いのはどれか。
選択肢
1 介入研究
2 症例報告
3 横断研究
4 症例対照研究
解答
正解1(介入研究)
解説

介入研究は、研究者が要因の有無を無作為に割り付けられるため、因果関係を最も強く示すことができる。正答は1。

エビデンスレベルとは、その研究デザインが因果関係をどれだけ確からしく示せるかの序列である。上位から、システマティックレビュー・メタアナリシス>介入研究(無作為化比較試験)>コホート研究>症例対照研究>横断研究>症例報告・症例集積>専門家の意見、という順に並ぶ。介入研究が上位に来る理由は無作為割り付けにあり、対象者をくじ引きのように振り分けることで、年齢や生活習慣といった既知の交絡因子だけでなく、測定していない未知の交絡因子まで両群に均等に散らばることが期待できる。観察研究では割り付けができないため、結果に差が出ても交絡による見かけの関連を完全には否定しきれない。本問の選択肢の中では介入研究が最上位となる。

✓ 1. 正しい
介入研究
研究者が要因を割り付けるため「原因が結果に先行する」ことが設計上保証され、無作為化により交絡が制御される。この2点がそろうのは介入研究だけで、選択肢の中で最もエビデンスレベルが高い。臨床試験の相(フェーズ)や二重盲検の話も、この信頼性を高めるための工夫として理解しておく。
✗ 2. 誤り
症例報告
個々の患者の経過を記述するもので、比較する対照群がなく、症例の選ばれ方にも偏りが入る。因果関係の証明力は選択肢の中で最も低い。ただし、まれな疾患や未知の副作用に最初に気づく入口としての価値は大きく、そこから上位の研究デザインへつなげていく位置づけになる。
✗ 3. 誤り
横断研究
ある一時点で要因と疾病を同時に調べるため、有病率の把握には向くが、どちらが先に起きたのかを判定できない(因果の逆転が否定できない)。観察研究の中でも症例対照研究より下位に置かれる。
✗ 4. 誤り
症例対照研究
疾病あり群となし群を集めて過去の曝露をさかのぼる後ろ向きの観察研究で、まれな疾患を効率よく調べられる利点がある。しかし過去の情報に頼るため思い出しバイアスや対照の選択バイアスが入りやすく、算出できるのはオッズ比にとどまる。介入研究やコホート研究より下位となる。
ポイント
  • エビデンスの序列=メタアナリシス/システマティックレビュー>介入研究>コホート研究>症例対照研究>横断研究>症例報告>専門家の意見
  • 介入研究が強い理由は「時間の順序が保証される」と「無作為化で未知の交絡まで均等化できる」の2点
  • コホート研究は前向きで相対危険度・寄与危険度が出せる。症例対照研究は後ろ向きでオッズ比
  • 横断研究は一時点の観察なので因果の前後関係を決められない。有病率調査に向く
  • 症例報告は証明力は最も低いが、新しい問題に最初に気づく入口として価値がある
比較表
研究デザイン比較群時間の向き主な指標エビデンス
介入研究(無作為化比較試験・RCT)あり(無作為割付)前向き相対危険度、リスク差最も高い
コホート研究あり(曝露で分ける)前向き相対危険度、寄与危険度、罹患率高い
症例対照研究あり(疾病で分ける)後ろ向きオッズ比
横断研究なし(同時点で観察)一時点有病率低い
症例報告・症例集積なし記述のみ最も低い
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