学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §6 進行性病変 / QJ30A123

理由で解く 柔道整復師

QJ30A123 病理学概論

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問123
問題
再生能の低い細胞はどれか。
選択肢
1 グリア細胞
2 線維芽細胞
3 血管内皮細胞
4 中枢神経細胞
解答
正解4(中枢神経細胞)
解説

細胞は再生能から不安定細胞・安定細胞・永久細胞に分けられる。中枢神経細胞は分裂能をほぼ失った永久細胞にあたり、4肢のなかで再生能が最も低い。正解は4。

不安定細胞は常に分裂を続ける細胞で、表皮、消化管上皮、造血細胞が代表。安定細胞はふだん休止期にあるが、傷害などの刺激があれば分裂を再開する細胞で、肝細胞、腎尿細管上皮、線維芽細胞、血管内皮細胞、そしてグリア細胞がここに入る。永久細胞は分裂能をほとんど持たない細胞で、中枢神経細胞・心筋細胞・骨格筋細胞が挙げられる。中枢神経では失われた神経細胞が補充されず、欠損した部分はアストロサイトの増生(グリオーシス)によって埋められるため、形は繕われても機能は元に戻りにくい。脳梗塞後に後遺症が残りやすいのはこのためで、リハビリテーションは残った神経回路の再編を促す方向で行われる。なお成体でも海馬歯状回など一部で神経新生が報告されているが、傷害された領域を修復できる規模ではないと考えられている。

✓ 4. 正しい
中枢神経細胞
永久細胞に分類され、分裂能をほぼ失っている。失われても補充されず、欠損部はグリア細胞の増生(グリオーシス)で置き換えられるため、機能回復が難しい。
✗ 1. 誤り
グリア細胞
中枢神経の支持細胞。神経細胞とは異なり分裂能を保っており、傷害後にはアストロサイトが反応性に増殖してグリオーシスを形成する。再生能は低くない。
✗ 2. 誤り
線維芽細胞
安定細胞。創傷治癒の過程で増殖してコラーゲンを産生し、肉芽組織から瘢痕を作る。修復の主役であり再生能は高い。
✗ 3. 誤り
血管内皮細胞
安定細胞。傷害を受けると増殖して内皮を修復し、肉芽組織では血管新生を担う。再生能を十分に持つ。
ポイント
  • 再生能の3分類:不安定細胞(常に分裂)/安定細胞(刺激で分裂再開)/永久細胞(ほぼ分裂しない)。
  • 永久細胞=中枢神経細胞・心筋細胞・骨格筋細胞。傷害されると機能が戻りにくい。
  • 中枢神経の欠損部はグリオーシスで埋まる。グリア細胞自体は増殖できる点が対照的。
  • 安定細胞には肝細胞、腎尿細管上皮、線維芽細胞、血管内皮細胞が含まれる。
  • 再生できない組織では、線維化・瘢痕による「修復」で置き換わる(再生と修復の区別)。
比較表
分類分裂能代表的な細胞
不安定細胞常に分裂している表皮、消化管上皮、造血細胞
安定細胞ふだん休止、刺激で分裂再開肝細胞、腎尿細管上皮、線維芽細胞、血管内皮細胞、グリア細胞
永久細胞ほぼ分裂しない中枢神経細胞、心筋細胞、骨格筋細胞
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