学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §6 進行性病変 / QJ31A122

理由で解く 柔道整復師

QJ31A122 病理学概論

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午前 問122
問題
扁平上皮化生がみられないのはどれか。
選択肢
1 慢性胃炎
2 慢性膀胱炎
3 慢性気管支炎
4 慢性子宮頸管炎
解答
正解1(慢性胃炎)
解説

慢性の刺激を受けた粘膜は、より丈夫な重層扁平上皮に置き換わる(扁平上皮化生)。ただし胃で起こる代表的な化生は腸上皮化生であり、扁平上皮化生はみられない。

化生とは、いったん分化した細胞が別の系統の分化した細胞に置き換わる、可逆的な適応現象である。線毛円柱上皮や移行上皮(尿路上皮)のような繊細な上皮が持続的な刺激にさらされると、摩擦や乾燥に強い重層扁平上皮へ変わることで環境に適応する。喫煙にさらされる気管支、結石や慢性感染を伴う膀胱、外的刺激を受けやすい子宮頸管がその代表である。一方、胃粘膜がヘリコバクター・ピロリ感染などで慢性的に傷害されると、杯細胞や吸収上皮をもつ腸型の上皮に置き換わる腸上皮化生が生じ、これは胃癌のリスク指標として扱われる。化生自体は刺激が除かれれば戻りうるが、刺激が続けば異形成を経て発癌に進みうるため、禁煙や原因の除去、定期的な検診が現実的な対応となる。

✓ 1. 正答(扁平上皮化生はみられない)
慢性胃炎
胃粘膜の慢性炎症で生じる代表的な化生は腸上皮化生である。杯細胞を伴う腸型上皮への置き換わりが起こり、扁平上皮化生は通常みられないため、これが設問の答えとなる。
✗ 2. 答えではない(扁平上皮化生がみられる)
慢性膀胱炎
膀胱の移行上皮(尿路上皮)は、慢性の炎症、結石、長期のカテーテル留置などの刺激により扁平上皮に置き換わることがある。
✗ 3. 答えではない(扁平上皮化生がみられる)
慢性気管支炎
喫煙などの持続的な刺激により、気道の線毛円柱上皮が扁平上皮に置き換わる典型例。線毛が失われるため異物や痰の排出能が低下する。
✗ 4. 答えではない(扁平上皮化生がみられる)
慢性子宮頸管炎
子宮頸管の円柱上皮が扁平上皮に置き換わる。扁平円柱上皮境界の付近は化生が活発な部位であり、子宮頸癌の好発部位としても重要である。
ポイント
  • 化生=分化した細胞が別系統の分化細胞に置き換わる可逆的な適応現象。
  • 扁平上皮化生の代表=気管支(喫煙)、膀胱(結石・慢性感染)、子宮頸管。
  • 胃の代表的化生は腸上皮化生(杯細胞の出現)。胃癌のリスク指標として扱われる。
  • 気道で扁平上皮化生が起こると線毛が失われ、痰や異物の排出が悪くなる。
  • 刺激が続くと化生→異形成→癌へ進みうる。原因の除去(禁煙など)と定期検診が対応の基本。
比較表
部位(疾患)もとの上皮起こる化生
慢性胃炎胃腺上皮(円柱上皮)腸上皮化生
慢性気管支炎多列線毛円柱上皮扁平上皮化生
慢性膀胱炎移行上皮(尿路上皮)扁平上皮化生
慢性子宮頸管炎頸管腺の円柱上皮扁平上皮化生
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