学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ30A109

理由で解く 柔道整復師

QJ30A109 運動学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問109
問題
脛骨の後方への逸脱を防ぐのはどれか。
選択肢
1 前十字靱帯
2 後十字靱帯
3 内側側副靱帯
4 外側側副靱帯
解答
正解2(後十字靱帯)
解説

大腿骨に対して脛骨が後ろへずれるのを止めるのは後十字靱帯(PCL)です。逆に脛骨の前方移動を止めるのが前十字靱帯(ACL)になります。

十字靱帯の名前は「脛骨側の付着部が前か後ろか」を表しています。後十字靱帯は脛骨顆間区の後方から起こり、前上内方へ走って大腿骨内側顆の外側面に停止します。この走行のため、脛骨が後方へ滑ろうとすると靱帯が張ってブレーキになるわけです。臨床評価は、膝屈曲90度で脛骨を後方へ押す後方引き出しテストと、背臥位で股・膝を屈曲させたとき脛骨粗面が落ち込むsag sign(後方落ち込み徴候)が基本になります。受傷機転としては、膝屈曲位で脛骨近位前面を強打するダッシュボード損傷が代表的です。前十字靱帯は逆に脛骨の前方移動・膝の過伸展・脛骨の過度の内旋を制動します。両者は制動方向が正反対なので、「脛骨がどちらへ逃げるのを止めるか」で必ずセットにして覚えてください。

✗ 1. 誤り
前十字靱帯
脛骨顆間区の前方から後上外方へ走り、脛骨の前方移動と膝の過伸展を制動します。損傷では前方引き出しテストやラックマンテストが陽性となります。
✓ 2. 正しい
後十字靱帯
脛骨顆間区の後方から前上内方へ走り、脛骨の後方移動を制動します。評価は後方引き出しテストとsag signで行います。
✗ 3. 誤り
内側側副靱帯
大腿骨内側上顆から脛骨内側面につき、外反ストレスと脛骨の外旋を制動します。前額面の安定に働く靱帯で、前後方向の制動は担いません。
✗ 4. 誤り
外側側副靱帯
大腿骨外側上顆から腓骨頭につく索状の靱帯で、内反ストレスを制動します。こちらも前額面の制動が役割です。
ポイント
  • 脛骨の後方移動を止める=後十字靱帯(PCL)
  • 脛骨の前方移動・膝の過伸展を止める=前十字靱帯(ACL)
  • 十字靱帯の名称は脛骨付着部が前か後ろかで決まる(覚え方の要)
  • PCL損傷の所見:後方引き出しテスト陽性、sag sign。機転はダッシュボード損傷
  • 側副靱帯は前額面の制動。MCLは外反、LCLは内反ストレスに抵抗する
比較表
靱帯制動する動き主な徒手検査
前十字靱帯(ACL)脛骨の前方移動・過伸展・脛骨内旋前方引き出しテスト、ラックマンテスト、Nテスト
後十字靱帯(PCL)脛骨の後方移動後方引き出しテスト、sag sign
内側側副靱帯(MCL)外反ストレス・脛骨外旋外反ストレステスト
外側側副靱帯(LCL)内反ストレス内反ストレステスト
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