学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 生理学 ▸ §3 循環 / QJ30A105
理由で解く 柔道整復師
この設問は「増加しないのはどれか」と問う否定形である。最大心拍数はおおむね年齢で決まり、持久性トレーニングを積んでも上がらない。したがって答えは1。
持久能の指標である最大酸素摂取量は、Fickの原理から「最大心拍出量 × 最大動静脈酸素較差」と表せる。持久性トレーニングを続けると、心室腔が拡大して1回拍出量が増えるため最大心拍出量が増加し(いわゆるスポーツ心臓)、骨格筋側では毛細血管密度・ミトコンドリア数・酸化系酵素・ミオグロビンが増えて血液から酸素を取り出す能力が高まるため最大動静脈酸素較差も広がる。この2つが増える結果として最大酸素摂取量が増加する。一方、最大心拍数は洞房結節の性質と加齢でほぼ決まり(目安としておよそ220−年齢)、トレーニングでは増加しない。むしろ1回拍出量が増えた分、安静時や同一強度の運動時の心拍数は低下する(徐脈)。「心拍数を上げて稼ぐ」のではなく「1回の拍出量と筋の酸素取り出し能力で稼ぐ」体に変わる、と理解すると混乱しない。
| 項目 | 持久性トレーニングによる変化 | 理由 |
|---|---|---|
| 最大酸素摂取量 | 増加 | 最大心拍出量と動静脈酸素較差の増加の積 |
| 最大心拍出量 | 増加 | 心室腔拡大による1回拍出量の増加 |
| 1回拍出量(安静時・最大時) | 増加 | 心室腔拡大・収縮力向上 |
| 最大動静脈酸素較差 | 増加 | 筋の毛細血管・ミトコンドリア・酸化系酵素の増加 |
| 最大心拍数 | 変わらない(不変〜わずかに低下) | 主に年齢で規定される |
| 安静時心拍数 | 低下 | 1回拍出量が増えた分、回数が要らなくなる |
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