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理由で解く 柔道整復師

QJ30A096 生理学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問96
問題
細動脈を収縮させるのはどれか。
選択肢
1 乳酸
2 一酸化窒素
3 アデノシン
4 エンドセリン
解答
正解4(エンドセリン)
解説

エンドセリンは血管内皮が産生する強力な血管収縮物質です。他の 3 つはいずれも局所で細動脈を拡張させる物質なので、答えは 4 です。

血管内皮は相反する 2 種類の物質を出します。一酸化窒素(NO)とプロスタサイクリンは平滑筋を弛緩させて血管を広げ、エンドセリン-1 は ETA 受容体を介して平滑筋を収縮させます。一方、組織の代謝が高まると酸素分圧が下がり、二酸化炭素・H⁺・K⁺・アデノシン・乳酸といった代謝産物が増えますが、これらはそろって細動脈を拡張させます。働いている組織ほど血流が増えるという合目的的な仕組み(活動性充血・代謝性自己調節)で、代謝産物=拡張と覚えれば選択肢 1 と 3 は即座に外せます。全身性に血管を収縮させる因子としては、ノルアドレナリン(α₁受容体)、アンジオテンシン II、バゾプレッシン、トロンボキサン A₂ が代表です。

✓ 4. 正しい
エンドセリン
血管内皮細胞が産生するペプチドで、既知の内因性物質の中でも最も強い部類の血管収縮作用をもちます。血管トーヌスの維持や、過剰になると血管攣縮・高血圧に関与します。
✗ 1. 誤り
乳酸
解糖系の産物で、組織に蓄積すると局所の細動脈を拡張させて血流を増やします。収縮ではなく拡張方向の因子です。
✗ 2. 誤り
一酸化窒素
内皮由来血管弛緩因子として知られ、平滑筋内の cGMP を増やして弛緩させます。血管拡張物質の代表格です。
✗ 3. 誤り
アデノシン
ATP の分解産物で、とくに心筋や脳の血管で強い拡張作用を示します。酸素需要が増えたときに血流を増やす代謝性の調節因子です。
ポイント
  • 内皮由来の収縮物質=エンドセリン、拡張物質=NO・プロスタサイクリン。
  • 局所の代謝産物(アデノシン、乳酸、CO₂、H⁺、K⁺、低 O₂)はすべて血管拡張。
  • 「働いている組織に血を送る」ため、代謝亢進は拡張につながる(活動性充血)。
  • 全身性の収縮因子はノルアドレナリン(α₁)、アンジオテンシン II、バゾプレッシン、トロンボキサン A₂。
  • 細動脈は末梢血管抵抗の主役なので、その口径変化が血圧と組織血流を大きく左右する。
比較表
血管収縮に働く血管拡張に働く
エンドセリン-1一酸化窒素(NO)
ノルアドレナリン(α₁受容体)プロスタサイクリン
アンジオテンシン IIアデノシン
バゾプレッシン乳酸・CO₂・H⁺・K⁺
トロンボキサン A₂ヒスタミン、ブラジキニン
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