学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §3 循環 / QJ30A095

理由で解く 柔道整復師

QJ30A095 生理学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問95
問題
心拍出量を増やすのはどれか。
選択肢
1 心拍数の低下
2 心室収縮力の低下
3 全身末梢血管抵抗の低下
4 心室拡張末期容量の低下
解答
正解3(全身末梢血管抵抗の低下)
解説

心拍出量は「1 回拍出量 × 心拍数」で、1 回拍出量は前負荷・心収縮力・後負荷で決まります。後負荷にあたる末梢血管抵抗が下がると心臓は楽に血を送り出せるので、増やすのは 3 です。

前負荷は心室拡張末期容量で表され、これが増えると心筋が引き伸ばされてスターリングの法則により収縮力が増し、1 回拍出量が増えます。心収縮力そのものは交感神経刺激やカテコラミンで高まります。後負荷は心室が血液を駆出するときに打ち勝つ必要のある抵抗で、全身末梢血管抵抗や大動脈圧がこれにあたり、大きいほど拍出量は減ります。したがって選択肢 1・2・4 はいずれも心拍出量を減らす方向で、3 だけが増やす方向です。運動時に骨格筋の細動脈が拡張して末梢血管抵抗が下がり、心拍出量が大きく増えるのがこの関係の代表例です。

✓ 3. 正しい
全身末梢血管抵抗の低下
後負荷が減るため、同じ収縮力でもより多くの血液を駆出できます。運動時の活動筋での血管拡張がその典型で、心拍出量は安静時の数倍にまで増加します。
✗ 1. 誤り
心拍数の低下
心拍出量=1 回拍出量 × 心拍数なので、心拍数が減れば心拍出量は減る方向です。増やす因子にはなりません。
✗ 2. 誤り
心室収縮力の低下
収縮力が落ちれば 1 回に押し出せる量が減り、心拍出量は低下します。心不全ではこの機序で拍出量が保てなくなります。
✗ 4. 誤り
心室拡張末期容量の低下
前負荷が減った状態です。スターリングの法則により心筋の初期長が短くなると収縮力が下がり、1 回拍出量は減少します。出血や脱水による心拍出量低下がこれにあたります。
ポイント
  • 心拍出量=1 回拍出量 × 心拍数(安静時の目安は約 5 L/分)。
  • 1 回拍出量を決めるのは前負荷・心収縮力・後負荷の 3 つ。
  • 前負荷↑・収縮力↑ → 拍出量↑。後負荷↑ → 拍出量↓。
  • スターリングの法則:拡張末期容量が増えるほど収縮力が増す。
  • 血圧=心拍出量 × 末梢血管抵抗。抵抗低下は血圧を下げるが、心拍出量は増やしうる。
比較表
因子変化心拍出量への影響
前負荷(拡張末期容量)低下減少出血、脱水
心収縮力低下減少心不全
後負荷(末梢血管抵抗)低下増加運動時の骨格筋血管拡張
心拍数低下減少徐脈
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