学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §4 呼吸 / QJ30A098

理由で解く 柔道整復師

QJ30A098 生理学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問98
問題
頸動脈小体からの求心性神経はどれか。
選択肢
1 横隔神経
2 舌咽神経
3 迷走神経
4 肋間神経
解答
正解2(舌咽神経)
解説

頸動脈小体は末梢化学受容器で、その求心性神経は舌咽神経(洞神経、ヘーリング神経)です。「頸は舌咽、大動脈は迷走」で一組にして覚えます。

頸動脈分岐部には、血圧を感知する頸動脈洞(圧受容器)と、血液ガスを感知する頸動脈小体(化学受容器)が隣り合って存在し、どちらの情報も舌咽神経を経て延髄の孤束核に入ります。一方、大動脈弓の圧受容器と大動脈小体の化学受容器は迷走神経が担当します。末梢化学受容器は動脈血酸素分圧の低下にとくに鋭敏で、おおよそ 60 mmHg を下回るあたりから発火が急増し、換気を増やす方向に働きます。二酸化炭素分圧の上昇や pH の低下にも反応しますが、平常時の呼吸調節で主役を務めるのは延髄腹側の中枢化学受容器です。慢性的に CO₂ が高い患者では末梢化学受容器の低酸素刺激が呼吸の駆動源になっている場合があるため、酸素投与の際は換気状態の観察が欠かせません。

✓ 2. 正しい
舌咽神経
頸動脈小体および頸動脈洞からの求心性情報は、舌咽神経の枝(洞神経)を通って延髄の孤束核へ伝わります。位置と神経をセットで押さえましょう。
✗ 1. 誤り
横隔神経
第 3~5 頸神経に由来し、横隔膜を動かす運動神経(遠心性)です。受容器からの情報を運ぶ求心路ではありません。
✗ 3. 誤り
迷走神経
大動脈小体(化学受容器)と大動脈弓の圧受容器の求心路を担当します。求心性神経であることは正しいのですが、頸動脈小体の担当ではありません。
✗ 4. 誤り
肋間神経
胸神経の前枝で、肋間筋の運動と胸壁の感覚を担います。化学受容器とは関係がありません。
ポイント
  • 頸動脈洞(圧受容器)・頸動脈小体(化学受容器)→ 舌咽神経。
  • 大動脈弓の圧受容器・大動脈小体(化学受容器)→ 迷走神経。
  • 末梢化学受容器は主に PaO₂ 低下に反応(およそ 60 mmHg を下回ると発火が急増)。
  • 中枢化学受容器(延髄腹側)は CO₂・H⁺ に反応し、平常時の呼吸調節の主役。
  • 横隔神経(C3~C5)と肋間神経は呼吸筋を動かす遠心性の運動神経。
比較表
受容器感知するもの求心性神経
頸動脈洞血圧(動脈壁の伸展)舌咽神経
頸動脈小体PaO₂・PaCO₂・pH舌咽神経
大動脈弓圧受容器血圧迷走神経
大動脈小体PaO₂・PaCO₂・pH迷走神経
中枢化学受容器脳脊髄液の CO₂・H⁺(延髄内、末梢神経を介さない)
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