学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §13 筋肉の機能 / QJ30A082

理由で解く 柔道整復師

QJ30A082 生理学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問82
問題
骨格筋線維で正しいのはどれか。
選択肢
1 自動性がある。
2 複数の核をもつ。
3 自律神経が支配する。
4 ギャップ結合で連絡する。
解答
正解2(複数の核をもつ。)
解説

骨格筋線維は多数の筋芽細胞が融合してできた「多核の巨大細胞」なので、正しいのは 2 です。核の数・支配神経・自動能・細胞間結合の 4 点で三種の筋を対比すると迷いません。

発生の過程で単核の筋芽細胞が縦に並んで融合し、筋管を経て 1 本の骨格筋線維になります。このため核は 1 細胞あたり数百個におよび、筋鞘のすぐ内側(辺縁)に押しやられて並びます。骨格筋は随意筋で、体性運動神経(α運動ニューロン)が神経筋接合部でアセチルコリンを放出し、ニコチン性受容体を介して活動電位を起こさなければ収縮しません。1 本 1 本の線維は電気的に独立していて、力の強さは動員する運動単位の数と発火頻度で調節されます。これに対し心筋は介在板のギャップ結合で電気的に一体化し、洞房結節の自動能でリズムを作ります。

✓ 2. 正しい
複数の核をもつ。
筋芽細胞の融合によって生じた多核細胞(合胞体)で、核は細胞膜直下に並びます。核が中央に 1~2 個ある心筋、紡錘形で単核の平滑筋との区別点になります。
✗ 1. 誤り
自動性がある。
自動能(ペースメーカ活動)は心筋の特殊心筋や一部の内臓平滑筋の性質です。骨格筋は運動神経からの入力がなければ収縮せず、神経を切ると麻痺します。
✗ 3. 誤り
自律神経が支配する。
骨格筋を支配するのは体性神経(運動神経)です。自律神経が支配するのは心筋・平滑筋・腺で、こちらは意思では動かせません。
✗ 4. 誤り
ギャップ結合で連絡する。
ギャップ結合による細胞間の電気的連絡は、心筋の介在板や単一ユニット平滑筋の特徴です。骨格筋線維どうしにこの結合はなく、興奮は線維ごとに独立して伝わります。
ポイント
  • 骨格筋線維=筋芽細胞の融合体。だから多核で、核は辺縁に並ぶ。
  • 骨格筋は体性運動神経支配の随意筋。自動能もギャップ結合もない。
  • 心筋は単核(1~2 個、中央)+ギャップ結合+自動能+横紋あり。
  • 平滑筋は単核・横紋なし・自律神経支配で、内臓型はギャップ結合をもつ。
  • 骨格筋の張力調節は「動員する運動単位の数」と「発火頻度」で行う。
比較表
骨格筋心筋平滑筋
多核(辺縁)単核~2 核(中央)単核(中央)
横紋ありありなし
支配神経体性運動神経自律神経(調節のみ)自律神経
随意性随意不随意不随意
自動能なしありあり(内臓型)
ギャップ結合なしあり(介在板)あり(単一ユニット型)
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