学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §8 内分泌器系 / QJ30A068

理由で解く 柔道整復師

QJ30A068 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問68
問題
下垂体で誤っているのはどれか。
選択肢
1 間脳の上後部に位置する。
2 下垂体門脈がある。
3 前葉は腺組織からなる。
4 後葉は神経組織からなる。
解答
正解1(間脳の上後部に位置する。)
解説

下垂体は間脳(視床下部)の下面から漏斗でぶら下がり、蝶形骨のトルコ鞍の下垂体窩に収まります。間脳の上後部に位置するのは松果体で、この記述が設問の求める肢です。

下垂体は、由来の異なる2つの部分が合わさってできた器官です。前葉(腺性下垂体)は胎生期に口腔上皮が上方へ伸びたラトケ嚢に由来する腺組織で、視床下部でつくられた放出ホルモン・抑制ホルモンが下垂体門脈を通って届き、成長ホルモンをはじめ6種類のホルモンを分泌します。後葉(神経性下垂体)は間脳底が下方へ伸びたもので、視索上核・室傍核の神経細胞の軸索がそのまま下り、その終末からバソプレシン(抗利尿ホルモン)とオキシトシンが血中へ放出されます。つまり後葉はホルモンを合成せず、運ばれてきたものを放出する場所です。位置関係としては、間脳の上後部に突き出るのは松果体で、下垂体とはちょうど反対側にあたります。

✓ 1. これが答え(誤っている記述)
間脳の上後部に位置する。
下垂体は間脳の下面から漏斗で垂れ下がり、蝶形骨のトルコ鞍にある下垂体窩に収まります。間脳の上後部に位置するのは松果体で、記述が入れ替わっています。これが設問の求める肢です。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
下垂体門脈がある。
視床下部の正中隆起にある一次毛細血管網から下垂体門脈が下行し、前葉で二次毛細血管網をつくります。視床下部の放出ホルモンを前葉へ届ける専用の通路で、記述は正しい内容です。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
前葉は腺組織からなる。
前葉はラトケ嚢に由来する腺性下垂体で、酸好性細胞・塩基好性細胞・嫌色素細胞が並びます。記述は正しい内容です。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
後葉は神経組織からなる。
後葉は間脳底に由来する神経性下垂体で、視床下部から下る神経軸索と下垂体細胞(グリア由来)からなります。ホルモンを合成せず放出する点も含め、記述は正しい内容です。
ポイント
  • 下垂体は蝶形骨トルコ鞍の下垂体窩にあり、漏斗で視床下部(間脳の下面)とつながる。
  • 前葉=ラトケ嚢由来の腺組織+下垂体門脈系。後葉=間脳底由来の神経組織+軸索輸送。
  • 後葉ホルモン(バソプレシン・オキシトシン)は視索上核・室傍核で合成され、後葉で放出される。
  • 間脳の上後部にあるのは松果体。メラトニンを分泌し概日リズムに関わる。
  • 下垂体腫瘍が上方へ伸びると視交叉を圧迫し、両耳側半盲を生じる。位置関係から症状を導ける。
比較表
項目前葉(腺性下垂体)後葉(神経性下垂体)
発生ラトケ嚢(口腔上皮)間脳底の下方への伸び
組織腺組織神経組織(軸索+下垂体細胞)
視床下部との連絡下垂体門脈(体液性)神経軸索(神経性)
ホルモンGH・PRL・ACTH・TSH・FSH・LHバソプレシン・オキシトシン(放出のみ)
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