学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ30A053

理由で解く 柔道整復師

QJ30A053 解剖学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問53
問題
下顎頸に停止するのはどれか。
選択肢
1 咬筋
2 側頭筋
3 外側翼突筋
4 内側翼突筋
解答
正解3(外側翼突筋)
解説

咀嚼筋4つのうち、下顎枝ではなく関節側(下顎頸前面の翼突筋窩)と関節円板に付くのは外側翼突筋です。開口運動の主役でもあります。

咀嚼筋は4つとも下顎神経(三叉神経第3枝)の支配という点が共通なので、区別は停止部でつけます。咬筋と内側翼突筋は下顎角を外側と内側から挟み込むように付いて下顎を強く引き上げ、側頭筋は筋突起に付いて挙上と後退を行います。外側翼突筋だけは走行がほぼ水平で、下顎頸の翼突筋窩と顎関節の関節円板・関節包に停止します。そのため収縮すると下顎頭と関節円板を関節結節の方へ前へ滑らせ、開口と下顎の前突を生みます。顎関節の運動が「蝶番運動+滑走運動」の二段構えであることと、滑走を担当するのが外側翼突筋であることをセットで押さえておくと、開口障害や顎関節症の理解にもつながります。

✓ 3. 正しい
外側翼突筋
上頭は蝶形骨大翼の下面、下頭は翼状突起外側板の外面から起こり、後外方へ走って下顎頸の翼突筋窩と顎関節の関節円板・関節包に停止します。下顎頭側に付く唯一の咀嚼筋で、両側が働けば開口と前突、片側だけ働けば下顎は反対側へ振れます。
✗ 1. 誤り
咬筋
頬骨弓から起こり、下顎枝外面の咬筋粗面に停止します。表層からも触れる強力な閉口筋で、停止は関節側ではなく下顎枝です。
✗ 2. 誤り
側頭筋
側頭窩の広い範囲から起こり、頬骨弓の内側を通って下顎骨の筋突起に停止します。前部線維は挙上、後部線維は下顎の後退に働きます。
✗ 4. 誤り
内側翼突筋
翼突窩(翼状突起外側板の内面)から起こり、下顎角内面の翼突筋粗面に停止します。咬筋と組んで下顎を吊り上げる閉口筋で、停止部は関節から離れています。
ポイント
  • 停止で見分ける:咬筋=咬筋粗面、側頭筋=筋突起、内側翼突筋=翼突筋粗面、外側翼突筋=翼突筋窩(下顎頸)と関節円板。
  • 開口に働く咀嚼筋は外側翼突筋のみ。残る3つは閉口筋。
  • 4筋とも下顎神経(Ⅴ3)の支配。神経では区別できないので停止と作用で覚える。
  • 顎関節の運動は上関節腔の滑走と下関節腔の蝶番運動の組合せ。滑走を担うのが外側翼突筋。
  • 片側の外側翼突筋が働くと下顎は反対側へ移動する(側方運動)。
比較表
起始停止作用
咬筋頬骨弓咬筋粗面(下顎枝外面)挙上(閉口)
側頭筋側頭窩下顎骨筋突起挙上・後退
内側翼突筋翼突窩翼突筋粗面(下顎角内面)挙上(閉口)
外側翼突筋蝶形骨大翼下面・翼状突起外側板下顎頸の翼突筋窩・関節円板開口・前突・側方運動
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