学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §21 肘内障の診察および整復 / QJ30A023

理由で解く 柔道整復師

QJ30A023 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問23
問題
肘内障で正しいのはどれか。
選択肢
1 前腕は回外位となる。
2 肘関節全体が腫脹する。
3 腕尺関節部に圧痛がある。
4 万歳ができない。
解答
正解4(万歳ができない。)
解説

肘内障は橈骨頭が輪状靱帯から亜脱臼した状態で、幼児は前腕回内位・肘軽度屈曲位で腕を下げたまま使おうとしません。上肢を挙げられない(万歳ができない)のが典型所見です。

2〜4歳ごろの子どもの手を急に引っ張った際に、輪状靱帯が橈骨頭から外れて腕橈関節に挟み込まれることで起こります。関節包の中で起きている亜脱臼なので、外見上の変形や腫脹はほとんどなく、圧痛があるとすれば橈骨頭(腕橈関節部)に限られます。痛みのために自分から動かさず、麻痺しているように見えるため仮性麻痺と呼ばれます。腫脹・皮下出血・著明な変形・骨性の圧痛があるときは上腕骨顆上骨折などを疑い、無理な整復操作を行わず医師の診察につなげます。

✓ 4. 正しい
万歳ができない。
患児は疼痛のため患肢を挙上できません。「バンザイしてみて」と促して挙がるかどうかを見るのは、言葉で症状を説明できない幼児に対して安全かつ簡便な確認方法で、整復後の確認にも使えます。
✗ 1. 誤り
前腕は回外位となる。
前腕は回内位をとります。他動的に回外させようとすると強く痛がるのが特徴で、これも重要な手がかりになります。
✗ 2. 誤り
肘関節全体が腫脹する。
関節包内の亜脱臼であり、腫脹は目立ちません。肘全体が腫れている場合は骨折や脱臼など別の外傷を考え、医師の診察につなげます。
✗ 3. 誤り
腕尺関節部に圧痛がある。
圧痛は腕橈関節部(橈骨頭)にみられます。腕尺関節部の圧痛や骨性の変形がある場合は、別の外傷を疑う所見です。
ポイント
  • 好発は2〜4歳。手を急に引かれた(牽引された)機転が典型。
  • 肢位は肘軽度屈曲・前腕回内位で下垂。自分から動かさない仮性麻痺。
  • 腫脹・変形はなく、圧痛は橈骨頭(腕橈関節部)に限局する。
  • 「万歳ができるか」で挙上障害を確認する。整復後に万歳できれば良い指標になる。
  • 腫脹・皮下出血・骨性圧痛があれば骨折を疑い、医師の診察につなげる。
比較表
項目肘内障肘関節後方脱臼上腕骨顆上骨折
好発年齢2〜4歳青年〜成人(小児にもあり)5〜8歳前後
受傷機転手を引っ張られる(牽引)手をついて肘過伸展手をついて肘過伸展
前腕の肢位回内位で下垂軽度屈曲位で弾発性固定疼痛で保持できない
腫脹・変形ほとんどなし肘頭後方突出・変形あり著明な腫脹・変形あり
圧痛部位橈骨頭(腕橈関節部)肘頭・関節部上腕骨顆上部(骨性)
ヒューター三角正常乱れる保たれる(関節外骨折)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。