学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §17 肩関節烏口下脱臼の診察および整復 / QJ30A019

理由で解く 柔道整復師

QJ30A019 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問19
問題
肩関節烏口下脱臼に対するコッヘル法で第2操作はどれか。
選択肢
1 外転
2 内転
3 外旋
4 内旋
解答
正解2(内転) または 3(外旋) 〈複数正答:いずれも正解〉
解説

※本問は複数正答(厚生労働省が複数の選択肢を正解と認定)。選択肢 2/3 のいずれを選んでも正解。

本問は「設問が不明確で複数の選択肢が正解と考えられるため」として複数正解の措置がとられ、2「内転」と3「外旋」のどちらを選んでも正解とされた。

コッヘル法は肩関節前方(烏口下)脱臼に対する代表的な整復法で、肘関節を直角に曲げた上腕を体幹に近づけたまま、牽引・内転→外旋→前方挙上(内転位のまま肘を前上方へ運ぶ)→内旋という一連の操作で骨頭を関節窩へ戻す。ただし各操作の区切り方は資料によって一致しておらず、「牽引」と「内転」を1つの操作にまとめる書き方もあれば別々に数える書き方もあり、また第2操作にあたる部分に内転と外旋の両方を含めて記述する資料もある。どの数え方に立つかで「第2操作」が内転にも外旋にもなり得るため、設問がその前提を示していない以上一つに絞れない。措置の理由として公表されているのは「設問が不明確で複数の選択肢が正解と考えられるため」であり、数え方の相違はその背景にあるとみられる説明である。なお外旋操作を強行すると上腕骨頸部の骨折や神経・血管損傷を招くため、抵抗を感じたらそこで止め、医師へつなぐ判断に切り替える。

✓ 2. 正解として受理
内転
「牽引」と「内転」を別の操作として数える立場では、第2操作が上腕の内転にあたる。
✓ 3. 正解として受理
外旋
「牽引しながらの内転」をまとめて第1操作と数える立場では、第2操作は外旋にあたる。
✗ 1. 受理されない
外転
コッヘル法は上腕を体幹に近づけた内転位のまま進める整復法で、外転の操作は含まれない。
✗ 4. 受理されない
内旋
内旋は最後の操作。骨頭が関節窩に納まってから、手を健側肩へ運ぶ形で行う。
ポイント
  • コッヘル法の流れ=牽引・内転→外旋→前方挙上→内旋
  • 本問の措置は複数正解。公表された理由は「設問が不明確で複数の選択肢が正解と考えられるため」
  • 操作の区切り方(牽引を独立に数えるか、第2操作に内転と外旋の両方を含めるか)が資料により異なることが背景にあるとみられる
  • 外転はコッヘル法に含まれない。内旋は最終操作
  • 外旋操作は強行しない。上腕骨頸部骨折や神経・血管損傷のリスクがある
  • 高齢者や骨折の合併が疑われる例では、無理をせず画像評価を含めて医師と連携する
比較表
数え方第2操作にあたるもの本問での扱い
牽引と内転を別の操作として数える内転選択肢2が正解
牽引しながらの内転をまとめて第1操作とする外旋選択肢3が正解
第2操作の記述に内転と外旋の両方を含める資料もある内転・外旋のいずれとも読める一つに絞れない
※どの立場でも操作全体の順序(牽引・内転→外旋→前方挙上→内旋)は共通で、外転は含まれず、内旋が最終操作である点も変わらない。
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