学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §3 柔道整復師と柔道 / QJ30A002

理由で解く 柔道整復師

QJ30A002 必修問題

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問2
問題
精力善用で正しいのはどれか。
選択肢
1 自己の精力が及ぶ限り大なる効力を世に顕すこと。
2 多数の人と助け合い共同の目的を達成すること。
3 自分の全精力を尽くした上で、成功を期待すること。
4 競争し合って共に向上すること。
解答
正解1(自己の精力が及ぶ限り大なる効力を世に顕すこと。)
解説

精力善用とは「心身のもてる力を最も有効に使い、その結果を最大の効力として世に現す」という嘉納治五郎の原理。これを述べているのは1で、正答は1。

嘉納は柔道の技術原理を「精力最善活用(精力善用)」の一語にまとめ、これと対になる道徳原理として「自他共栄」を掲げた。精力善用は自分のもつ力の使い方を説くもの、自他共栄は他者との関わり方を説くもので、二つは役割が違う。技でいえば、相手の力に逆らわず崩しと体さばきで最小の力から最大の効果を引き出す発想がそのまま生活や仕事にも及ぶ、という考え方である。この問題は「精力善用の説明として自他共栄を差し出す」型のひっかけなので、まず二語を切り分けて覚える。

✓ 1. 正しい
自己の精力が及ぶ限り大なる効力を世に顕すこと。
精力善用の定義そのもの。力を最も有効に使い、その成果を世に役立てるところまでを含む。
✗ 2. 誤り
多数の人と助け合い共同の目的を達成すること。
これは「自他共栄」の内容。相互扶助・譲り合いによって自分も他人も共に栄えるという道徳原理で、精力善用とは別の柱。
✗ 3. 誤り
自分の全精力を尽くした上で、成功を期待すること。
「力を尽くす」点は近いが、精力善用の要点は力の量ではなく「最も有効に使う」という使い方の質にある。成功を期待する心構えを説く言葉でもない。
✗ 4. 誤り
競争し合って共に向上すること。
自他共栄は競争ではなく助け合いを説く。精力善用の説明にも自他共栄の説明にも当たらない。
ポイント
  • 精力善用=心身の力を最も有効に活用し、最大の効力を世に現す(技術・原理の柱)
  • 自他共栄=互いに助け合い譲り合って共に栄える(道徳・社会の柱)
  • どちらも嘉納治五郎が柔道修行の目的として掲げた二大原理
  • 「善用」は「たくさん使う」ではなく「最善に使う」と読む
  • 定番のひっかけは、精力善用を問うて自他共栄の文を混ぜる形
比較表
精力善用自他共栄
中身心身の力を最も有効に使う互いに助け合い譲り合う
向く方向自分の力の使い方他者との関わり方
性格技術・合理性の原理道徳・社会性の原理
本問での対応選択肢1(正答)選択肢2
※選択肢3・4はどちらの原理の説明にも当たらない。とくに選択肢4「競争し合って共に向上すること」は、助け合いを説く自他共栄とは異なる。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。