学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ29P113

理由で解く 柔道整復師

QJ29P113 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問113
問題
20歳の男性。三段跳びの選手である。1か月前から下腿部に疼痛を感じるようになり来所した。初検時の単純エックス線写真では異常がなかったが、2週後の単純エックス線写真では骨膜反応がみられた。骨膜反応がみられる可能性がある部位はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 脛骨の近位・中央 1/3境界部
2 脛骨の中央1/3部
3 腓骨の遠位 1/3部
4 腓骨の近位 1/3部
解答
正解2(脛骨の中央1/3部)、4(腓骨の近位 1/3部)
解説

三段跳びのような跳躍系競技で生じる下腿の疲労骨折は「跳躍型」で、脛骨中央1/3部と腓骨近位1/3部が好発部位である。

疲労骨折は骨の同じ部位に繰り返し負荷が加わって生じるため、受傷の瞬間がはっきりせず、本例のように「1か月前から徐々に痛む」という経過をとる。初期の単純エックス線写真では所見が現れないことが多く、2〜3週後に骨膜反応(仮骨形成)や骨透亮線として初めて描出される。この時間差を知っていれば、初検で異常なしでも疲労骨折を否定せず、練習量を調整しながら再検査を勧めるという対応につながる。下腿の疲労骨折は発生機序で2型に整理され、踏切りを繰り返す跳躍型は脛骨中央1/3の前方皮質(緊張側)と腓骨近位1/3に生じ、走行を繰り返す疾走型は脛骨の近位1/3または遠位1/3と腓骨遠位1/3に生じる。本例は三段跳びの選手なので跳躍型として考える。

✓ 2. 該当する(設問の答え)
脛骨の中央1/3部
跳躍型の代表的な好発部位である。踏切り時に脛骨前方皮質へ引張り応力が繰り返し加わって生じ、難治性で完全骨折や偽関節に移行しやすいため、慎重な負荷管理と医師との連携が必要となる。
✓ 4. 該当する(設問の答え)
腓骨の近位 1/3部
跳躍型でみられる腓骨の好発部位である。踏切りの繰り返しで下腿の筋が腓骨を反復して引くことにより生じる。脛骨中央1/3部とセットで「跳躍型」と覚える。
✗ 1. 該当しない
脛骨の近位・中央 1/3境界部
脛骨の好発部位は、跳躍型が中央1/3、疾走型が近位1/3または遠位1/3と整理される。その境界部は典型的な好発部位として挙げられないため、本例で選ぶ部位としては当てはまらない。
✗ 3. 該当しない
腓骨の遠位 1/3部
腓骨遠位1/3部は走行の繰り返しで生じる疾走型(ランナー)の好発部位である。三段跳びという競技特性とは合わないため、本例では当てはまらない。
ポイント
  • 疲労骨折は初期のエックス線で写らず、2〜3週後に骨膜反応や骨透亮線として現れる。
  • 跳躍型=脛骨中央1/3(前方皮質)+腓骨近位1/3。踏切りの反復で生じる。
  • 疾走型=脛骨近位1/3または遠位1/3+腓骨遠位1/3。走行の反復で生じる。
  • 跳躍型の脛骨中央1/3は難治性で、完全骨折・偽関節に移行しうる。負荷管理と医師との連携を。
  • 設問は「2つ選べ」。競技(三段跳び=跳躍)から型を決め、脛骨と腓骨の部位を対で選ぶ。
比較表
項目跳躍型疾走型
典型的な競技三段跳び・走高跳・バスケットボールなど長距離走・陸上中距離など
脛骨の好発部位中央1/3(前方皮質)近位1/3または遠位1/3(後内側)
腓骨の好発部位近位1/3遠位1/3
経過難治。完全骨折・偽関節に移行しやすい比較的癒合しやすい
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