学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §21 各論(軟部組織損傷) 頭部・体幹 / QJ29P096

理由で解く 柔道整復師

QJ29P096 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問96
問題
顎関節症の分類で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 I型円板転位
2 Ⅱ型-靱帯損傷
3 Ⅲ型-関節軟骨破壊
4 Ⅳ型-変形性関節症
解答
正解2(Ⅱ型-靱帯損傷)、4(Ⅳ型-変形性関節症)
解説

出題時点で用いられている顎関節症の症型分類では、Ⅰ型=咀嚼筋障害、Ⅱ型=関節包・靱帯障害、Ⅲ型=関節円板障害、Ⅳ型=変形性顎関節症、Ⅴ型=その他である。よって「Ⅱ型-靱帯損傷」と「Ⅳ型-変形性関節症」が正しい。

この分類は、障害されている組織が「筋 → 関節包・靱帯 → 関節円板 → 骨・軟骨」と、関節の外側から内側・深部へ、また可逆的なものから器質的変化を伴うものへ順に並んでいると理解すると混同しにくい。Ⅰ型は咀嚼筋の疼痛や運動時痛が主体で、開口時の筋の圧痛が手がかりとなる。Ⅱ型は関節包・靱帯の慢性外傷性病変で、関節部の圧痛や運動時痛を認める。Ⅲ型は関節円板の転位で、復位性(開閉口時にクリック音)と非復位性(クリックが消え開口障害・ロック)に分けられる。Ⅳ型は下顎頭や関節結節の骨・軟骨に変性破壊が生じたもので、ジャリジャリという捻髪音(クレピタス)が特徴である。Ⅴ型はⅠ〜Ⅳのいずれにも当てはまらないものを指す。番号と病変部位の対応を、音の性質(無音・クリック・捻髪音)とセットで覚えると得点しやすい。

✓ 2. 正しい
Ⅱ型-靱帯損傷
Ⅱ型は関節包・靱帯の障害である。円板の転位や骨の変形はなく、関節部の圧痛と運動時痛が中心となる。組合せは正しい。
✓ 4. 正しい
Ⅳ型-変形性関節症
Ⅳ型は下顎頭や関節結節の骨・軟骨に変性破壊を生じた変形性顎関節症である。捻髪音(クレピタス)を伴うのが特徴で、組合せは正しい。
✗ 1. 誤り
I型円板転位
Ⅰ型は咀嚼筋障害であり、円板転位はⅢ型に分類される。番号が2つずれているため、組合せとして成立しない。
✗ 3. 誤り
Ⅲ型-関節軟骨破壊
Ⅲ型は関節円板障害である。関節軟骨や骨の変性破壊はⅣ型にあたるため、組合せとして成立しない。
ポイント
  • Ⅰ型=咀嚼筋障害、Ⅱ型=関節包・靱帯障害、Ⅲ型=関節円板障害、Ⅳ型=変形性顎関節症、Ⅴ型=その他。
  • 覚え方は「筋 → 包・靱帯 → 円板 → 骨・軟骨」と外側から深部へ進む順。
  • Ⅲ型は復位性(クリック音あり)と非復位性(クリック消失+開口障害・ロック)に分かれる。
  • Ⅳ型は捻髪音(クレピタス)が特徴。音の性質が型の鑑別に役立つ。
  • 設問は「2つ選べ」。Ⅱ型とⅣ型の2つに解答する。
比較表
障害される組織主な所見
Ⅰ型咀嚼筋筋の圧痛、運動時痛、開口時の疲労感
Ⅱ型関節包・靱帯関節部の圧痛、運動時痛(円板・骨の異常なし)
Ⅲ型関節円板復位性=クリック音、非復位性=クリック消失と開口障害
Ⅳ型骨・軟骨(下顎頭・関節結節)捻髪音(クレピタス)、変形性変化
Ⅴ型Ⅰ〜Ⅳに該当しないもの
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