学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §21 各論(軟部組織損傷) 頭部・体幹 / QJ27P092

理由で解く 柔道整復師

QJ27P092 柔道整復理論

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午後 問92
問題
神経根型の頸部捻挫で正しいのはどれか。
選択肢
1 胸鎖乳突筋の筋力低下
2 上肢の感覚障害
3 肩関節の拘縮
4 下肢深部反射の減弱
解答
正解2(上肢の感覚障害)
解説

神経根型では、障害された頸神経根が担当する上肢の領域に症状が出ます。正しいのは2です。

頸部捻挫(外傷性頸部症候群)は、症状の出方によって頸椎捻挫型、神経根型、脊髄症状型、バレー・リュー型(交感神経型)などに分けられます。神経根型は椎間孔の部分で神経根が刺激・圧迫されるもので、その根が担当する皮膚分節に沿ったしびれや感覚鈍麻、支配筋の筋力低下、上肢の深部腱反射の減弱が出ます。頸を後屈させ患側へ側屈・回旋して椎間孔を狭めるスパーリングテストや、頭部に軸圧を加えるジャクソンテストで症状が再現されるのが特徴です。ここで大切なのは症状の広がりで、上肢にとどまるなら神経根型、下肢にまで及ぶなら脊髄症状型を疑います。後者は反射亢進、病的反射、痙性歩行、膀胱直腸障害などを伴い緊急性が高いため、直ちに医師の診察につなぎます。

✓ 2. 正しい
上肢の感覚障害
障害された神経根の皮膚分節に一致したしびれ・感覚鈍麻が上肢に出るのが神経根型の代表的所見です。多くは片側性で、頸の後屈・側屈で増強します。
✗ 1. 誤り
胸鎖乳突筋の筋力低下
胸鎖乳突筋は主に副神経の支配です。頸部捻挫では同筋の圧痛や筋緊張はよくみられますが、神経根型を示す所見ではありません。
✗ 3. 誤り
肩関節の拘縮
痛みで動かさない期間が長引けば二次的に生じうるものの、神経根が障害されたこと自体を示す所見ではありません。
✗ 4. 誤り
下肢深部反射の減弱
頸神経根の障害は下肢の反射に影響しません。下肢に所見が出る場合は脊髄症状型を疑い、反射亢進・病的反射・歩行障害・膀胱直腸障害の有無を確認して速やかに医師へつなぎます。
ポイント
  • 神経根型=症状は上肢に限局。皮膚分節に沿った感覚障害、支配筋の筋力低下、上肢腱反射の減弱。
  • 誘発検査はスパーリングテスト(後屈+患側側屈・回旋)、ジャクソンテスト(頭部軸圧)。
  • 下肢の症状(反射亢進、病的反射、痙性歩行、膀胱直腸障害)は脊髄症状型のサイン。緊急性が高い。
  • 頭痛・めまい・耳鳴り・眼精疲労などの自律神経症状はバレー・リュー型。
  • 受傷直後は症状が出そろわないことがある。経時的に神経学的所見を取り直す。
比較表
主な症状症状の範囲
頸椎捻挫型頸部痛、運動制限、筋緊張頸部・肩甲部
神経根型皮膚分節に沿ったしびれ・感覚障害、筋力低下、腱反射減弱上肢(片側が多い)
脊髄症状型反射亢進、病的反射、歩行障害、膀胱直腸障害下肢を含む体幹以下
バレー・リュー型頭痛、めまい、耳鳴り、眼精疲労、悪心頭頸部の自律神経症状
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