学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §21 各論(軟部組織損傷) 頭部・体幹 / QJ25P093

理由で解く 柔道整復師

QJ25P093 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問93
問題
肋間筋損傷の特徴的な所見はどれか。
選択肢
1 介達痛
2 腫脹
3 内出血
4 運動痛
解答
正解4(運動痛)
解説

肋間筋損傷では、体幹の運動や深呼吸・咳など損傷部が動かされる場面で痛みが出る。特徴的な所見は運動痛で、正答は4。

肋間筋は肋骨と肋骨の間を走り、体幹の回旋・側屈や呼吸運動で伸張・収縮する。したがって安静時の痛みは比較的軽く、動かしたときだけ強く痛むという「運動痛が主体」のパターンをとる。筋が肋骨の間の深部にあるため、腫脹や皮下出血は体表からは把握しにくい。臨床で最も重要なのは肋骨骨折との鑑別で、骨折では胸郭を前後・左右から圧迫すると離れた骨折部に痛みが響く介達痛(胸郭圧迫テスト陽性)が特徴的である。肋間筋損傷ではこの介達痛がみられない。処置はバストバンド等で胸郭の動きを抑えて疼痛を軽減し、呼吸困難・皮下気腫・喀血・チアノーゼなどがあれば血胸・気胸を疑って直ちに医師に紹介する。

✓ 4. 正しい(特徴的な所見)
運動痛
損傷した筋が働く動作、すなわち体幹の回旋・側屈、深呼吸、咳、くしゃみで疼痛が誘発・増強する。逆に胸郭を動かさなければ痛みが軽いことが多く、この「動かすと痛い」というパターンが肋間筋損傷を示す最も特徴的な所見である。
✗ 1. 該当しない
介達痛
介達痛(胸郭を圧迫すると離れた部位が痛む)は肋骨骨折を示唆する所見である。肋間筋損傷では圧迫によって骨折部に力が集中する現象が起こらないため、介達痛はみられない。この有無こそが両者の鑑別点として問われる。
✗ 2. 該当しない
腫脹
肋間筋は肋骨に挟まれた深層にあり、損傷しても体表から明らかな腫脹として観察しにくい。腫脹の有無は診断の決め手にならない。
✗ 3. 該当しない
内出血
皮下出血斑も深部の損傷であるため体表に現れにくく、特徴的所見とは言えない。表在性の筋損傷(大腿部の肉ばなれなど)と比べて所見が乏しい点が、この部位の損傷の特徴である。
ポイント
  • 肋間筋損傷の特徴は運動痛(体幹運動・深呼吸・咳で増強)。
  • 深部の損傷なので腫脹・皮下出血は現れにくい。
  • 介達痛(胸郭圧迫で骨折部が痛む)は肋骨骨折の所見。両者の最大の鑑別点。
  • 処置はバストバンド等で胸郭の動きを制限し疼痛を軽減する。
  • 呼吸困難・皮下気腫・喀血があれば気胸・血胸を疑い直ちに医師へ紹介する。
比較表
所見肋間筋損傷肋骨骨折
介達痛(胸郭圧迫)みられない特徴的にみられる
運動痛・呼吸時痛特徴的にみられるみられる
限局性圧痛肋間(筋腹)に一致肋骨上(骨折線)に一致
軋轢音なし触知することがある
腫脹・皮下出血乏しい時にみられる
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