学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §21 各論(軟部組織損傷) 頭部・体幹 / QJ25P092

理由で解く 柔道整復師

QJ25P092 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問92
問題
外傷性顎関節捻挫と鑑別を要する顎関節症はどれか。
選択肢
1 Ⅰ型
2 Ⅱ型
3 Ⅲ型
4 Ⅳ型
解答
正解2(Ⅱ型)
解説

外傷性顎関節捻挫は関節包・靱帯の損傷なので、同じく関節包・靱帯の障害である顎関節症Ⅱ型と鑑別を要します。

顎関節症は「どの組織が傷んでいるか」で型分けされます。Ⅰ型は咀嚼筋の障害(筋痛・筋の疲労感)、Ⅱ型は関節包・靱帯の障害(関節包炎・靱帯炎)、Ⅲ型は関節円板の障害(開口時のクリック、非復位性では開口障害)、Ⅳ型は変形性顎関節症で下顎頭の骨変化と軋轢音(クレピタス)を伴います。一方、顎関節捻挫は打撲や過大な開口、硬いものを噛んだ際などに関節包・靱帯が引き伸ばされて起こり、開口時痛・外耳道前方(下顎頭部)の圧痛・軽度の開口制限という症状がⅡ型とよく似ます。区別の手がかりは明確な外傷歴の有無、腫脹・熱感といった急性炎症所見の有無、関節雑音の性状です。関節雑音や咬合異常、強い開口障害を伴うときは円板や骨の問題が疑われるため、歯科口腔外科への紹介を検討します。

✓ 2. 正しい
Ⅱ型
関節包・靱帯の障害を指す型で、損傷組織が顎関節捻挫と同じです。そのため開口時痛や下顎頭部の圧痛といった症状が重なり、外傷歴の有無で見分ける必要があります。
✗ 1. 誤り
Ⅰ型
咀嚼筋の障害(筋痛)で、圧痛の中心は関節そのものではなく咬筋・側頭筋などの筋腹にあります。損傷組織が異なるため、捻挫との第一の鑑別対象にはなりません。
✗ 3. 誤り
Ⅲ型
関節円板の障害で、復位性では開口時のクリック音、非復位性では急な開口障害(クローズドロック)が主症状となります。関節雑音が特徴となる点が捻挫と異なります。
✗ 4. 誤り
Ⅳ型
変形性顎関節症で、下顎頭の骨の変形と軋轢音(クレピタス)を伴います。慢性の経過をたどる退行性変化であり、急性外傷である捻挫とは経過が異なります。
ポイント
  • 顎関節症は傷んでいる組織で型分けする:Ⅰ型=咀嚼筋、Ⅱ型=関節包・靱帯、Ⅲ型=関節円板、Ⅳ型=変形性(骨)。
  • 外傷性顎関節捻挫は関節包・靱帯の損傷 → 損傷組織が同じⅡ型と紛らわしい。
  • 鑑別の手がかりは外傷歴、腫脹・熱感などの急性炎症所見、関節雑音の有無と性状。
  • クリック音・クレピタス・咬合異常・強い開口障害があれば歯科口腔外科への紹介を検討する。
比較表
障害されている組織特徴的な所見
Ⅰ型咀嚼筋咬筋・側頭筋の筋痛、疲労感
Ⅱ型関節包・靱帯開口時痛、下顎頭部の圧痛(捻挫と類似)
Ⅲ型関節円板クリック音、非復位性ではクローズドロック
Ⅳ型関節を構成する骨下顎頭の変形、軋轢音(クレピタス)
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