学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §9 総論 軟部組織損傷 / QJ29P073
理由で解く 柔道整復師
チネル(Tinel)徴候は、再生してきた軸索の先端部を叩いたときに支配領域へ放散する痛み・しびれで、神経再生がどこまで進んだかを示す所見である。
軸索が断たれると、損傷部より末梢の軸索と髄鞘が変性・崩壊する(ワーラー変性)。中枢側の断端からは1日あたり1〜数mmの速さで軸索が伸び出すが、伸びたばかりの再生軸索は髄鞘が未熟で機械刺激に過敏である。そのため先端部を軽く叩打すると、その神経の支配領域へ向かって放散するしびれや痛みが生じる。数週間おきに叩打点を確認し、陽性となる位置が末梢へ移動していれば再生が進行していると判断でき、逆に同じ位置にとどまれば再生の停滞を疑う。損傷の程度はセドン(Seddon)分類で一過性神経伝導障害・軸索断裂・神経断裂に分けられ、変性の有無と回復の見込みが異なる。
| セドン分類 | 病態 | ワーラー変性 | 回復 |
|---|---|---|---|
| 一過性神経伝導障害 | 局所の伝導ブロック、軸索は連続 | 起こらない | 数日〜数週で完全回復 |
| 軸索断裂 | 軸索は断裂、神経内膜は保たれる | 末梢側に起こる | 再生軸索が伸びて回復。チネル徴候が末梢へ移動 |
| 神経断裂 | 神経幹が完全に断裂 | 末梢側に起こる | 自然回復は望めず縫合などの手術が必要 |
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