学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §9 総論 軟部組織損傷 / QJ29P072

理由で解く 柔道整復師

QJ29P072 柔道整復理論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問72
問題
新鮮な靱帯損傷でみられないのはどれか。
選択肢
1 限局性圧痛
2 皮下出血斑
3 腫脹
4 筋萎縮
解答
正解4(筋萎縮)
解説

筋萎縮は数週間かけて進む二次的な変化で、受傷直後の新鮮例では現れない。

靱帯が切れると同時に周囲の小血管も切れるため、限局性圧痛・腫脹・皮下出血斑・機能障害、そして完全断裂なら不安定性がそろって現れる。なかでも圧痛が靱帯の走行や付着部に一致して限局することが、靱帯損傷を疑う最大の手がかりになる。皮下出血斑は出血が皮下へ降りてくるまで時間がかかるため、当日より1〜数日後にはっきりする。筋萎縮は使わない期間が続いて初めて生じる所見である。

✓ 4. みられない(答え)
筋萎縮
不使用や固定が数週間続いた結果として生じる二次的変化で、新鮮例にはない。逆に筋萎縮があれば陳旧例や別の病態を考える材料になる。固定中も等尺性収縮などで萎縮を防ぐ配慮をする。
✗ 1. みられる(答えではない)
限局性圧痛
損傷した靱帯の走行・付着部に一致して圧痛が限局する。部位から損傷靱帯を絞り込める重要な所見。
✗ 2. みられる(答えではない)
皮下出血斑
靱帯とともに小血管が損傷し、出た血液が重力に従って皮下へ広がる。受傷後1〜数日で色調変化を伴って出現する。
✗ 3. みられる(答えではない)
腫脹
出血と炎症性の滲出により関節周囲が腫れる。関節内の損傷であれば関節血腫として関節全体が腫脹する。
ポイント
  • 新鮮例の所見:限局性圧痛、腫脹、皮下出血斑、機能障害、不安定性(完全断裂)
  • 圧痛が靱帯の走行・付着部に限局することが診断の決め手
  • 皮下出血斑は受傷直後ではなく1〜数日後に明らかになる
  • 筋萎縮・不安定感の残存は陳旧例の所見
  • 固定中も等尺性収縮や隣接関節の運動で萎縮を最小限に抑える
比較表
所見新鮮例陳旧例
限局性圧痛強い軽度〜消失
腫脹・皮下出血斑あり(斑は1〜数日後)反復性の腫脹はあるが斑はない
筋萎縮なしあり
不安定性疼痛で判定困難なことも明瞭、膝崩れなど
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