学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §24 部位別各論 足・足趾 / QJ29P065

理由で解く 柔道整復師

QJ29P065 整形外科学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問65
問題
足の変形の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 凹足--内側縦アーチが高い。
2 尖足-脛骨神経麻痺で生じる。
3 内反足-前足部の外転を伴う。
4 扁平足-踵部が内反する。
解答
正解1(凹足--内側縦アーチが高い。)
解説

凹足は内側縦アーチが過度に高くなる変形で、1が正しい組合せです。

足の変形は「内側縦アーチが高いか低いか」「後足部(踵)が内反か外反か」「前足部が内転か外転か」の3点に分けて整理すると混乱しません。凹足は内側縦アーチが高く保たれたまま固くなった状態で、足底の接地面積が減るため踵と中足骨頭に荷重が集中し、胼胝や足底部痛、足関節捻挫の反復を起こしやすくなります。単なる体質のこともありますが、シャルコー・マリー・トゥース病などの遺伝性ニューロパチーや脊髄病変が背景にあることがあり、進行性であったり左右差が強い場合は原因の検索が必要です。日常的には足底のアーチパッドや、接地面を広げる足底装具、下腿三頭筋や足底腱膜のストレッチで負担を分散させます。

✓ 1. 正しい
凹足--内側縦アーチが高い。
凹足はまさに内側縦アーチが高くなった足で、扁平足の対極にあたります。接地面が狭くなるため踵と中足骨頭に荷重が集中し、胼胝・足底痛・捻挫の反復につながります。
✗ 2. 誤り
尖足-脛骨神経麻痺で生じる。
神経麻痺と足の変形の対応は、足関節を背屈できず足先が垂れる下垂足(垂足)が腓骨神経麻痺、下腿三頭筋が働かず踵で接地する踵足が脛骨神経麻痺、と覚えます。この肢の変形名は原典の取り込みが不完全で確定できませんが、正答が1のみであることから、ここに挙げられている変形は脛骨神経麻痺で生じる踵足ではなく、腓骨神経麻痺で生じる下垂足(垂足)系の語と考えられます。したがって本肢の変形は「脛骨神経麻痺で生じる」という説明には当たりません。
✗ 3. 誤り
内反足-前足部の外転を伴う。
内反足で前足部に生じるのは外転ではなく内転です。先天性内反足は尖足・後足部内反・前足部内転・凹足の4要素が組み合わさった変形で、早期からのギプス矯正(ポンセティ法)が治療の中心となります。
✗ 4. 誤り
扁平足-踵部が内反する。
扁平足では内側縦アーチが落ちて足部全体が回内するため、踵部は内反ではなく外反します。後ろから見ると足趾が外側に多く見える所見を伴います。踵が内反するのは内反足や凹足の側です。
ポイント
  • 足の変形は「アーチの高さ」「後足部の内反/外反」「前足部の内転/外転」に分けて整理する。
  • 凹足=アーチが高い/扁平足=アーチが低く踵は外反、と対にして覚える。
  • 先天性内反足は尖足・後足部内反・前足部内転・凹足の4要素。前足部は内転であって外転ではない。
  • 下垂足(垂足)は腓骨神経麻痺(前脛骨筋群の麻痺)、踵足は脛骨神経麻痺(下腿三頭筋の麻痺)と対応する。
  • 進行性の凹足や強い左右差は神経筋疾患が隠れていることがあり、原因検索につなげる。
比較表
変形内側縦アーチ後足部(踵)前足部代表的な背景
凹足高い内反しやすい体質のほか、遺伝性ニューロパチーなど神経筋疾患
扁平足低い外反外転後脛骨筋腱機能不全、関節弛緩
先天性内反足高い(凹足を伴う)内反内転(+尖足)先天性。早期ギプス矯正
下垂足(垂足)腓骨神経麻痺(前脛骨筋群の麻痺)
踵足脛骨神経麻痺(下腿三頭筋の麻痺)
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