学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §24 部位別各論 足・足趾 / QJ29P066
理由で解く 柔道整復師
出題時の正答は2「外脛骨」ですが、本問は採点上「全員正解」の措置がとられました。理由は「問題として適切であるが、受験者レベルでは難しすぎるため」とされています。
後脛骨筋腱機能不全は、内側縦アーチを内側から吊り上げている後脛骨筋腱が変性・伸長して働かなくなる病態で、中高年女性に多い後天性扁平足の主な原因です。病期は段階的に進み、初期(ステージ1)は腱そのものの炎症・変性の段階で、内果の後下方から舟状骨にかけての腫脹と圧痛、つま先立ちの際の痛みが主体となり、足のアライメントはまだ保たれていて扁平足も踵の外反も現れていません。進行するとアーチが落ちて柔らかい扁平足となり(ステージ2)、片脚での踵挙上が困難になり、後ろから見ると足趾が外側に多く見えるようになります。さらに進むと変形が固定します(ステージ3以降)。ここで外脛骨ですが、これは舟状骨の内側にある先天性の過剰骨であり、病気の進行によって新たに出現する所見ではありません。疾患の有無にかかわらずもともと存在する解剖学的変異で、後脛骨筋腱の停止部にあたるため腱の張力が集中する素因として働き、初期から舟状骨内側の隆起と圧痛として確認できます。本問の解き筋はしたがって消去法です。扁平足・踵部外反・外反母趾はいずれも変形が出そろった進行期の所見であり、初期に該当しうるのは外脛骨だけが残ります。「初期にみられるもの」という問い方と、先天的な素因である外脛骨との関係は分かりにくく、この問が全員正解の措置を受けた背景もそこにあると考えられます。初期は内側アーチを支える足底装具、後脛骨筋の求心性・遠心性トレーニング、荷重量と活動量の調整で対応し、痛みが続く場合は整形外科での評価につなげます。
| 病期 | 腱の状態 | 足のかたち | 片脚踵挙上 |
|---|---|---|---|
| ステージ1(初期) | 腱鞘炎・変性。内果後下方の腫脹と圧痛 | 変形なし(アーチは保たれる) | 可能だが痛む |
| ステージ2 | 腱の伸長・部分断裂 | 柔らかい扁平足、踵部外反 | 困難 |
| ステージ3 | 腱の破綻+関節拘縮 | 固い扁平足(手で矯正できない) | 不能 |
| ステージ4 | — | 距骨が傾き足関節まで外反変形 | 不能 |
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