学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §17 主要な疾患 膠原病 / QJ29P040

理由で解く 柔道整復師

QJ29P040 一般臨床医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問40
問題
口腔内潰瘍、ニキビ様皮疹、外陰部潰瘍、眼虹彩炎を呈するのはどれか。
選択肢
1 皮膚筋炎
2 リウマチ熱
3 結節性多発動脈炎
4 ベーチェット(Behçet)病
解答
正解4(ベーチェット(Behçet)病)
解説

再発性の口腔内アフタ性潰瘍、痤瘡(ニキビ)様皮疹、外陰部潰瘍、そして虹彩毛様体炎などの眼症状は、ベーチェット病の四主症状にそのまま対応する。

ベーチェット病は全身の血管に炎症を繰り返す原因不明の炎症性疾患で、日本を含む地中海沿岸からシルクロード沿いの地域に多いことからシルクロード病とも呼ばれ、HLA-B51との関連が知られている。四主症状は、ほぼ必発で初発症状となることが多い再発性口腔内アフタ性潰瘍、結節性紅斑様皮疹や痤瘡様皮疹・血栓性静脈炎などの皮膚症状、有痛性の外陰部潰瘍、そして虹彩毛様体炎や網膜ぶどう膜炎といった眼症状である。眼症状は発作を繰り返すうちに視力障害を残しうるため、治療上とくに重視される。副症状として関節炎、副睾丸炎、消化器・血管・神経病変があり、腸管型・血管型・神経型は特殊型として扱われる。皮膚の被刺激性が亢進しており、注射や採血の穿刺部が発赤・膿疱化する針反応(パテルギー反応)陽性も参考所見である。関節炎で来院した患者が口内炎を繰り返していると語ったら、単発の症状として片づけず全身症状を確認し、医療機関の受診につなげたい。

✓ 4. 正しい
ベーチェット(Behçet)病
設問に挙げられた口腔内潰瘍・皮疹・外陰部潰瘍・眼症状は、ベーチェット病の四主症状そのものである。HLA-B51との関連、針反応陽性、腸管型・血管型・神経型という特殊型まで併せて押さえておきたい。
✗ 1. 誤り
皮膚筋炎
上眼瞼の紫紅色の浮腫性紅斑(ヘリオトロープ疹)と手指関節背面のゴットロン徴候を伴い、体幹に近い近位筋の筋力低下とCK上昇を示す疾患である。外陰部潰瘍や虹彩炎を四主症状とすることはない。
✗ 2. 誤り
リウマチ熱
A群β溶血性連鎖球菌による咽頭炎の後に、交叉反応で心臓・関節・皮膚・中枢神経が侵される疾患で、心炎、移動性多関節炎、輪状紅斑、皮下結節、舞踏病を特徴とする。僧帽弁を中心とした弁膜症を後遺症として残す点が問題となる。
✗ 3. 誤り
結節性多発動脈炎
中型動脈を主に侵す壊死性血管炎で、発熱・体重減少などの全身症状に加え、多発単神経炎、腎障害と高血圧、皮膚潰瘍・紫斑などを呈する。口腔・外陰部の潰瘍と眼症状という組合せは典型的ではない。
ポイント
  • ベーチェット病の四主症状=再発性口腔内アフタ性潰瘍・皮膚症状(結節性紅斑様/痤瘡様)・外陰部潰瘍・眼症状(虹彩毛様体炎、網膜ぶどう膜炎)。
  • 口腔内アフタが初発症状となることが多く、眼症状は視力障害を残しうるため重視される。
  • HLA-B51との関連、針反応(パテルギー反応)陽性、シルクロード沿いに多い分布が特徴。
  • 特殊型として腸管型・血管型・神経型があり、予後に大きく関わる。
  • 皮膚筋炎=ヘリオトロープ疹・ゴットロン徴候、リウマチ熱=溶連菌感染後の心炎・輪状紅斑、結節性多発動脈炎=中型動脈の壊死性血管炎。
比較表
疾患中核となる症状の組合せキーワード
ベーチェット病口腔内アフタ+皮疹+外陰部潰瘍+眼症状HLA-B51、針反応陽性、シルクロード病
皮膚筋炎近位筋の筋力低下+特徴的皮疹ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候、CK上昇
リウマチ熱心炎+多関節炎+輪状紅斑+舞踏病A群β溶連菌感染後、僧帽弁膜症
結節性多発動脈炎発熱・体重減少+多発単神経炎+腎障害中型動脈の壊死性血管炎、高血圧
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