学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §17 主要な疾患 膠原病 / QJ29P039

理由で解く 柔道整復師

QJ29P039 一般臨床医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問39
問題
全身性エリテマトーデス(SLE)でみられるのはどれか。
選択肢
1 筋力低下
2 顔面紅斑
3 皮膚硬化
4 ゴットロン徴候
解答
正解2(顔面紅斑)
解説

全身性エリテマトーデス(SLE)の代表的な皮膚症状は、両頬から鼻背にかけて広がる蝶形紅斑であり、顔面紅斑を挙げた2が正しい。他の3肢は別の膠原病に特徴的な所見である。

SLEは若年女性に好発する全身性の自己免疫疾患で、自己抗体と抗原が結合した免疫複合体が全身の血管や組織に沈着し、多臓器に炎症を起こす。皮膚では両頬部と鼻背をつなぐ形の蝶形紅斑や円板状(ディスコイド)皮疹、日光にあたると悪化する光線過敏、脱毛、無痛性の口腔内潰瘍がみられる。全身では発熱・易疲労感、非びらん性の関節炎、胸膜炎・心膜炎などの漿膜炎、そして予後を左右するループス腎炎が重要である。検査では抗核抗体が高率に陽性で、抗二本鎖DNA抗体と抗Sm抗体が疾患特異性の高い自己抗体、活動期には血清補体価の低下がみられる。膠原病は「どの皮膚所見が出るか」で見分けがつく問題が多いので、疾患と特徴的皮疹を対にして整理しておくとよい。

✓ 2. 正しい
顔面紅斑
両頬部から鼻背にかけて蝶が羽を広げたように広がる蝶形紅斑が典型で、SLEの診断基準にも含まれる代表的皮膚症状である。鼻唇溝が避けられる点や、日光曝露で悪化する光線過敏を伴う点も特徴となる。
✗ 1. 誤り
筋力低下
体幹に近い近位筋の筋力低下(階段が昇りにくい、髪が結いにくい)を主症状とし、血清CK上昇を伴うのは多発性筋炎・皮膚筋炎である。SLEでは関節痛・関節炎は高頻度だが、筋力低下が中核症状となるわけではない。
✗ 3. 誤り
皮膚硬化
手指から始まり体幹へ及ぶ皮膚硬化は全身性強皮症の中核所見で、レイノー現象、手指の屈曲拘縮、逆流性食道炎、間質性肺疾患を伴う。SLEの特徴的所見ではない。
✗ 4. 誤り
ゴットロン徴候
手指の関節背面に生じる角化を伴う紅斑で、上眼瞼の紫紅色の腫脹(ヘリオトロープ疹)とともに皮膚筋炎に特異的な所見である。皮膚筋炎では悪性腫瘍の合併検索も重要になる。
ポイント
  • SLEの代表的皮膚症状は蝶形紅斑(顔面紅斑)。円板状皮疹・光線過敏・口腔内潰瘍・脱毛も伴う。
  • SLEは若年女性に好発。抗核抗体陽性、抗dsDNA抗体・抗Sm抗体が特異的、活動期は補体低下。
  • 予後を左右するのはループス腎炎。漿膜炎・関節炎・血液異常・中枢神経症状も起こる。
  • ゴットロン徴候・ヘリオトロープ疹=皮膚筋炎。近位筋の筋力低下とCK上昇を伴う。
  • 皮膚硬化+レイノー現象=全身性強皮症。膠原病は特徴的皮膚所見で対にして覚える。
比較表
疾患特徴的な皮膚所見その他の主症状
全身性エリテマトーデス(SLE)蝶形紅斑(顔面紅斑)、円板状皮疹、光線過敏ループス腎炎、関節炎、漿膜炎、抗核抗体陽性
皮膚筋炎ゴットロン徴候、ヘリオトロープ疹近位筋の筋力低下、CK上昇、悪性腫瘍の合併
全身性強皮症皮膚硬化(手指→体幹)レイノー現象、逆流性食道炎、間質性肺疾患
ベーチェット病結節性紅斑様皮疹、痤瘡様皮疹口腔内アフタ、外陰部潰瘍、ぶどう膜炎
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