学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §3 リハビリテーション医学の基礎医学 / QJ29P014

理由で解く 柔道整復師

QJ29P014 リハビリテーション医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問14
問題
長期臥床に伴う拘縮の好発部位と肢位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 肩関節外旋
2 手関節・背屈
3 股関節・外旋
4 足関節-背屈
解答
正解3(股関節・外旋)
解説

長期臥床では、仰臥位で重力にまかせた「楽な肢位」のまま関節が固まる。下肢は自重で外へ倒れるため、3 の股関節・外旋が正しい組合せになる。

拘縮は関節を動かさない状態が続くことで関節包・靱帯・筋・皮膚などの軟部組織が短縮して起こり、およそ数日から数週で進行し始める。仰臥位で自然に落ち着く肢位は、肩関節が内転・内旋、肘が屈曲、前腕が回内、手関節が掌屈、手指が屈曲、股関節が屈曲・外旋、膝が屈曲、足関節が底屈(尖足)であり、この肢位のまま固定されていくのが臥床性拘縮の実際である。とりわけ足関節の尖足拘縮と股関節の屈曲・外旋拘縮は、その後の立位・歩行の再獲得を強く妨げる。予防としては、大転子の外側にロールを当てて下肢の外旋を止める、足底板やフットボードで足関節を中間位に保つといった良肢位保持と、1日数回の他動的関節可動域運動を早期から行い、可能な段階で自動運動と離床へつなげる。

✓ 3. 正しい
股関節・外旋
仰臥位では下肢の重みで大腿が外側に倒れ、股関節は外旋位をとる。これが続くと外旋(および屈曲)方向の拘縮となるため、大転子の外側にクッションやロールを当てて中間位に保持する。
✗ 1. 誤り
肩関節外旋
臥床で起こりやすいのは外旋ではなく内転・内旋位の拘縮である。腋窩に枕を入れて軽度外転位を保ち、外旋方向の可動域運動を加える。
✗ 2. 誤り
手関節・背屈
手関節は掌屈(屈曲)位、手指も屈曲位で固まりやすい。ハンドロールやスプリントを用いて手関節を軽度背屈位、手指を軽度屈曲位に保つのが予防の基本になる。
✗ 4. 誤り
足関節-背屈
足関節は掛け布団の重みと下腿三頭筋の張力によって底屈位、すなわち尖足で拘縮する。足底板・フットボードやクレードルで中間位(背屈0度)を保ち、他動的な背屈運動を毎日行う。
ポイント
  • 拘縮は「動かさないまま置かれた肢位」で固まる。臥位で楽な肢位=拘縮しやすい肢位と覚える。
  • 仰臥位の典型: 肩内転・内旋/肘屈曲/前腕回内/手関節掌屈/股屈曲・外旋/膝屈曲/足底屈(尖足)。
  • 尖足拘縮と股関節の屈曲・外旋拘縮は、立位・歩行の再獲得を妨げる代表格。
  • 予防は良肢位保持+1日数回の他動的関節可動域運動。段階に応じて自動運動と早期離床へ進める。
  • 良肢位は「拘縮が残っても機能的に困りにくい肢位」であり、患者が楽に感じる安楽肢位とは別物。
比較表
部位臥床で拘縮しやすい肢位保持したい肢位・対応
肩関節内転・内旋腋窩枕で軽度外転、外旋方向のROM運動
肘・前腕屈曲・回内軽度屈曲位で回外方向も動かす
手関節・手指掌屈・手指屈曲ハンドロール/スプリントで軽度背屈位
股関節屈曲・外旋大転子外側にロール、伸展・内旋方向のROM運動
膝関節屈曲膝下に厚い枕を入れ続けない、伸展位を保つ時間をつくる
足関節底屈(尖足)足底板・フットボードで中間位、掛け布団の重みを逃がす
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