学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 衛生学・公衆衛生学 ▸ §5 環境衛生 / QJ29P011
理由で解く 柔道整復師
湿度が高いと汗が蒸発せず、気化熱による放熱ができなくなるため熱中症が起こりやすくなります。正解は3です。
体熱は輻射・伝導・対流・蒸発の4つの経路で放散されますが、気温が皮膚温に近づくと前の3つがほとんど働かず、発汗による蒸発だけが頼りになります。湿度が高いと汗は流れ落ちるだけで蒸発せず、体温が上がり続けます。この考え方から、暑熱環境の評価にはWBGT(暑さ指数)が使われ、屋外では湿球温度×0.7+黒球温度×0.2+乾球温度×0.1で求めます。重みが最も大きいのが湿球温度(湿度の影響)で、黒球温度が輻射熱を反映する点が計算式から読み取れます。熱中症の重症度はI度(めまい・立ちくらみ・こむら返り・大量発汗)、II度(頭痛・嘔吐・倦怠感・集中力低下)、III度(意識障害・けいれん・高体温・肝腎機能障害)に分類されます。現場ではまず涼しい場所へ移して衣服をゆるめ、頸部・腋窩・鼠径部を冷やし、自分で水分(塩分を含むもの)が摂れるかを確認します。ここまでの現場対応で完結してよいのはI度までで、頭痛・嘔吐・倦怠感といったII度の症状がみられれば、その場で経過をみるのではなく、冷却を続けながら原則として医療機関を受診させます(経口摂取が困難なら点滴による補液が必要です)。意識がはっきりしない、けいれんがある、自力で水分が飲めない場合はIII度を疑い、ただちに救急要請したうえで搬送までの間も冷却を継続します。
| 重症度 | 主な症状 | 対応 |
|---|---|---|
| I度 | めまい、立ちくらみ、こむら返り、大量発汗 | 涼しい場所で休ませ、塩分を含む水分を与えて冷却。そばで見守り、改善を確認する(改善しなければ医療機関へ) |
| II度 | 頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力・判断力の低下 | 原則として医療機関を受診させる(冷却しながら搬送。経口摂取が困難なら点滴が必要) |
| III度 | 意識障害、けいれん、高体温、肝腎機能障害 | ただちに救急要請。搬送までの間も冷却を継続 |
※日本救急医学会の熱中症重症度分類では、I度=現場での応急処置と見守りで対応可能、II度=医療機関への搬送が必要、III度=入院加療(場合により集中治療)が必要、と区分されている。II度は「改善しなければ受診」ではなく、原則として受診が必要である点に注意。
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