学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §5 環境衛生 / QJ29P012

理由で解く 柔道整復師

QJ29P012 衛生学・公衆衛生学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問12
問題
水質汚濁の指標に含まれないのはどれか。
選択肢
1 硬度
2 浮遊物質
3 溶存酸素
4 水素イオン濃度
解答
正解1(硬度)
解説

硬度は水に含まれるカルシウム・マグネシウムの量を表す指標で、汚濁の程度を示すものではありません。よって1が答えです。

水質汚濁の指標は「有機物による汚れの量」と「水生生物への影響」という視点で組み立てられています。BOD(生物化学的酸素要求量)は微生物が有機物を分解する際に消費する酸素量で、河川の指標として用います。COD(化学的酸素要求量)は酸化剤で有機物を酸化するのに要する酸素量で、湖沼・海域の指標です。DO(溶存酸素)は水に溶けている酸素量で、汚濁が進むほど微生物による消費で低下します。SS(浮遊物質)は水中に懸濁する粒子の量、pH(水素イオン濃度)は排水の流入による酸性・アルカリ性への偏りを捉えるもので、これらはいずれも水質汚濁に係る環境基準の生活環境項目に位置づけられています。一方、硬度は主に地質に由来するカルシウムとマグネシウムの量を炭酸カルシウム量に換算した値で、水道水質基準では味や給湯設備への影響という観点から設けられている項目です。指標を覚えるときは「汚れの量を測るのか、水そのものの性質を測るのか」で仕分けます。

✓ 1. これが答え(水質汚濁の指標ではない)
硬度
硬度は主に地質に由来するカルシウム・マグネシウムの量を示します。高いと石けんの泡立ちが悪く給湯設備にスケールが付き、低すぎると味が淡白になるという性質の問題で、汚染の程度とは対応しません。
✗ 2. 答えではない(水質汚濁の指標に含まれる)
浮遊物質
SSのことで、水中に懸濁する粒子の量を示します。増えると透明度が下がって光合成が妨げられ、魚類のえらを傷めます。
✗ 3. 答えではない(水質汚濁の指標に含まれる)
溶存酸素
DOのことで、有機物汚濁が進むと微生物が酸素を消費して低下します。BOD・CODが「大きいほど汚い」のに対し、DOは「小さいほど汚い」と向きが逆になる点に注意します。
✗ 4. 答えではない(水質汚濁の指標に含まれる)
水素イオン濃度
pHのことで、生活環境項目の一つです。工場排水などの流入で酸性・アルカリ性に偏ると水生生物に影響するため、河川・湖沼・海域で基準値が定められています。
ポイント
  • 水質汚濁の指標=BOD(河川)、COD(湖沼・海域)、DO、SS、pH、大腸菌数、全窒素・全燐など。
  • BOD・CODは値が大きいほど汚濁が強い。DOは逆に小さいほど汚濁が強い。
  • 硬度はCa・Mgの量を示す水そのものの性質の指標で、水道水質基準の項目。汚濁の指標ではない。
  • SSは透明度低下や魚のえら障害、pHは排水流入による偏りを捉える。
  • 覚え方:「汚れの量を測る指標」か「水の性質を測る指標」かで仕分ける。
比較表
指標意味汚濁が進むと位置づけ
BOD微生物が有機物分解に使う酸素量上昇河川の生活環境項目
COD酸化剤で有機物を酸化する酸素量上昇湖沼・海域の生活環境項目
DO(溶存酸素)水に溶けた酸素量低下生活環境項目
SS(浮遊物質)水中に懸濁する粒子の量上昇生活環境項目
pH(水素イオン濃度)酸性・アルカリ性の程度基準域から逸脱生活環境項目
硬度Ca・Mg量(炭酸カルシウム換算)汚濁と対応しない水道水質基準(味・設備への影響)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。