学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §3 感染症 / QJ29P009

理由で解く 柔道整復師

QJ29P009 衛生学・公衆衛生学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問9
問題
蚊が媒介する感染症でないのはどれか。
選択肢
1 マラリア
2 日本脳炎
3 アニサキス
4 フィラリア
解答
正解3(アニサキス)
解説

マラリア・日本脳炎・フィラリアはいずれも蚊が媒介しますが、アニサキスは魚介類の生食による経口感染で起こる寄生虫症です。よって3が答えです。

節足動物が媒介する感染症(ベクター媒介感染症)は、「どの虫がどの病原体を運ぶか」を対にして覚えます。蚊が媒介するのは、ハマダラカによるマラリア、コガタアカイエカによる日本脳炎、アカイエカ等によるバンクロフト糸状虫症(フィラリア)、ネッタイシマカ・ヒトスジシマカによるデング熱・ジカウイルス感染症・チクングニア熱などです。一方アニサキスはアニサキス科の線虫の幼虫で、サバ・アジ・イワシ・イカなどの生食により経口感染し、多くは数時間以内に激しい上腹部痛と嘔吐を起こします。「刺されて感染するのか、食べて感染するのか」で仕分けると混同しません。予防は、蚊が媒介する感染症なら長袖・忌避剤による防蚊と、発生源となる水たまりの除去、日本脳炎は定期予防接種の活用。アニサキスは中心部まで十分に加熱するか、−20℃で24時間以上冷凍することが有効です。

✓ 3. これが答え(蚊は媒介しない)
アニサキス
海産魚介類の生食による経口感染です。本来の終宿主はクジラ・イルカなどで、ヒトの体内では成虫になれず、幼虫が胃壁や腸壁に刺入して急性腹症を起こします。内視鏡による虫体の摘出で症状が改善します。
✗ 1. 答えではない(蚊が媒介する)
マラリア
ハマダラカの吸血によりマラリア原虫が伝播します。熱帯熱マラリアは重症化しやすく、流行地から帰国後に発熱した場合は早期の受診が必要です。
✗ 2. 答えではない(蚊が媒介する)
日本脳炎
コガタアカイエカが媒介し、ブタが増幅動物となります。発症はまれですが発症時の致命率が高く、予防接種法に基づく定期接種の対象です。
✗ 4. 答えではない(蚊が媒介する)
フィラリア
バンクロフト糸状虫はアカイエカ等が媒介し、成虫がリンパ管を閉塞して下肢や陰嚢の腫脹(象皮病)を起こします。日本では対策事業により制圧されました。
ポイント
  • 蚊が媒介:マラリア(ハマダラカ)、日本脳炎(コガタアカイエカ)、フィラリア(アカイエカ等)、デング熱・ジカウイルス感染症(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)。
  • アニサキスは魚介類の生食による経口感染。感染経路が「刺される」か「食べる」かで仕分ける。
  • アニサキス症は生食後数時間の激しい上腹部痛が典型。内視鏡的に虫体を摘出する。
  • 予防:加熱(中心部まで)または−20℃で24時間以上の冷凍。
  • 蚊媒介感染症の予防は、防蚊(長袖・忌避剤)と発生源の水たまり対策、日本脳炎は定期接種。
比較表
媒介するもの代表的な感染症
マラリア、日本脳炎、フィラリア、デング熱、ジカウイルス感染症、黄熱
マダニ日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ライム病、ツツガムシ病(ツツガムシ)
ノミ・シラミペスト(ノミ)、発疹チフス(コロモジラミ)
魚介類の生食アニサキス症、旋尾線虫症、腸炎ビブリオ食中毒
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