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理由で解く 柔道整復師

QJ29P008 衛生学・公衆衛生学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問8
問題
被用者保険で正しいのはどれか。
選択肢
1 保険者は市町村である。
2 高額療養費制度が設けられている。
3 医療給付の患者負担は原則1割である。
4 業務上傷病に対し傷病手当金が支払われる。
解答
正解2(高額療養費制度が設けられている。)
解説

高額療養費制度は、被用者保険・国民健康保険・後期高齢者医療のいずれにも共通して設けられている仕組みです。正解は2です。

被用者保険(職域保険)は、雇われて働く人とその被扶養者が加入する医療保険で、保険者は全国健康保険協会(協会けんぽ)、健康保険組合、共済組合、船員保険です。市町村が保険者となるのは国民健康保険で、現在は都道府県と市町村が共同で運営しています。医療給付の一部負担金は原則3割で、義務教育就学前は2割、70〜74歳は2割(現役並み所得者は3割)、75歳以上が対象の後期高齢者医療では1割(一定以上の所得で2割、現役並み所得で3割)と年齢や所得で変わります。高額療養費は、1か月の自己負担額が所得区分ごとの上限額を超えたときに超過分が払い戻される制度で、公的医療保険に共通しています。傷病手当金は、業務外の傷病で療養のため労務に就けず給与が支払われないときの所得保障であり、業務上や通勤による傷病は労働者災害補償保険(労災保険)が扱います。業務中のけがで来所した患者には、健康保険ではなく労災の窓口につなぐよう受傷状況を確認します。

✓ 2. 正しい
高額療養費制度が設けられている。
1か月の自己負担が所得区分ごとの上限を超えた分が払い戻される制度で、被用者保険にも設けられています。事前に限度額適用認定証を用意すれば、窓口での支払い自体を上限額までにとどめることもできます。
✗ 1. 誤り
保険者は市町村である。
市町村が保険者となるのは国民健康保険です。被用者保険の保険者は、協会けんぽ・健康保険組合・共済組合・船員保険で、職域ごとに分かれています。
✗ 3. 誤り
医療給付の患者負担は原則1割である。
原則は3割です。1割という負担割合は後期高齢者医療の一般所得者などに適用されるもので、被用者保険の原則とは異なります。年齢区分ごとの負担割合を表で整理しておきます。
✗ 4. 誤り
業務上傷病に対し傷病手当金が支払われる。
業務上・通勤による傷病は労災保険の給付(療養補償給付・休業補償給付など)で対応します。健康保険の傷病手当金は業務外の傷病が対象で、連続3日の待期の後、4日目から支給されます。
ポイント
  • 被用者保険の保険者=協会けんぽ・健康保険組合・共済組合・船員保険。市町村は国民健康保険。
  • 一部負担金は原則3割。義務教育就学前2割、70〜74歳2割、75歳以上1割が基本(所得により変動)。
  • 高額療養費はすべての公的医療保険に共通して設けられている。
  • 傷病手当金・出産手当金は業務外の事由が対象。業務上・通勤災害は労災保険。
  • 業務中の受傷が疑われる患者には、受傷状況を確認して労災の手続き窓口へ案内する。
比較表
制度保険者主な対象特徴
被用者保険協会けんぽ・健康保険組合・共済組合・船員保険被用者と被扶養者傷病手当金・出産手当金あり(業務外が対象)
国民健康保険都道府県と市町村(国保組合を含む)自営業者、無職者など傷病手当金は任意給付
後期高齢者医療後期高齢者医療広域連合75歳以上(65〜74歳で一定の障害がある者を含む)負担割合は原則1割(所得により2割・3割)
労災保険政府(国)労働者の業務上・通勤による傷病療養補償給付・休業補償給付。自己負担なし
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