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理由で解く 柔道整復師

QJ29A126 病理学概論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問126
問題
ワクチン接種で予防可能なのはどれか。
選択肢
1 前立腺癌
2 子宮頸癌
3 子宮体癌
4 卵巣癌
解答
正解2(子宮頸癌)
解説

発癌にウイルスが関わる癌は、そのウイルスの感染を防ぐワクチンで予防できる。子宮頸癌の主因はヒトパピローマウイルス(HPV)で、HPVワクチンが実用化されている。

子宮頸癌の90%以上からHPVが検出され、なかでも16型・18型が高リスク型として知られる。HPVは性的接触によって子宮頸部の扁平上皮と円柱上皮の境界部に感染し、多くは自然に排除されるが、持続感染すると子宮頸部異形成(CIN)を経て、数年から十数年かけて上皮内癌、さらに浸潤癌へ進行する。ワクチンはこの入口である感染そのものを防ぐ仕組みなので、性的接触を経験する前に接種するのが最も効果的である。日本ではHPVワクチンは小学6年〜高校1年相当の女子を対象とする定期接種で、2013年6月から差し控えられていた積極的勧奨は2022年4月に再開された。ただしワクチンでカバーできない型も残るため、20歳以上を対象とする子宮頸がん検診(細胞診)と組み合わせることが前提になる。ウイルス発癌に対するワクチン予防という考え方は、B型肝炎ワクチンによる肝細胞癌の予防でも同じである。

✓ 2. 正しい
子宮頸癌
原因であるHPV(とくに16型・18型)の感染をワクチンで防げる。ワクチンと定期的な子宮頸がん検診を組み合わせることで、異形成という前癌病変の段階で発見・治療できる。
✗ 1. 誤り
前立腺癌
加齢・男性ホルモン・家族歴が主な要因で、感染症が原因ではないためワクチンによる予防はできない。早期発見にはPSA検査が用いられる。
✗ 3. 誤り
子宮体癌
子宮内膜から発生し、エストロゲンの長期作用(未産、肥満、閉経後、無排卵周期)が主な危険因子。ウイルスは関与せず、ワクチンは存在しない。不正性器出血が主な症状で、早期受診が発見の鍵になる。
✗ 4. 誤り
卵巣癌
排卵回数の多さや遺伝素因(BRCA1/BRCA2変異)が関与する。ウイルス性ではないためワクチンによる予防はできず、症状が出にくいことから発見が遅れやすい。
ポイント
  • ウイルスが原因の癌はワクチンで予防できる:HPV→子宮頸癌、B型肝炎ウイルス→肝細胞癌。
  • 子宮頸癌の主因はHPV16型・18型の持続感染。異形成(CIN)を経て浸潤癌へ進む。
  • ワクチンは感染前(性的接触を経験する前)の接種が最も有効。日本では小6〜高1相当の女子が定期接種の対象で、2013年6月から差し控えられていた積極的勧奨は2022年4月に再開された。
  • ワクチンは全ての型を防げないため、20歳からの子宮頸がん検診(細胞診)を併せて受けることが推奨される。
  • 子宮体癌はエストロゲン依存性、卵巣癌は排卵回数・遺伝素因が関与。同じ婦人科癌でも成因が異なる。
比較表
主な原因・危険因子ワクチン早期発見の方法
子宮頸癌HPV(16型・18型)の持続感染あり(HPVワクチン)子宮頸がん検診(細胞診)
子宮体癌エストロゲンの長期作用、肥満、未産なし不正性器出血を契機とした内膜細胞診
卵巣癌排卵回数、BRCA1/2変異なし超音波・腫瘍マーカー(確立した検診はない)
前立腺癌加齢、男性ホルモン、家族歴なしPSA検査
(参考)肝細胞癌B型・C型肝炎ウイルスあり(B型肝炎ワクチン)腹部超音波、AFP
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