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理由で解く 柔道整復師

QJ29A127 病理学概論

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問127
問題
上皮性腫瘍はどれか。
選択肢
1 腺腫
2 平滑筋腫
3 脂肪肉腫
4 神経鞘腫
解答
正解1(腺腫)
解説

腫瘍はまず、発生母地が上皮か非上皮(間葉系)かで分ける。選択肢のうち腺上皮から生じる腺腫だけが上皮性腫瘍である。

上皮性腫瘍は、皮膚や粘膜の表面をおおう上皮、および腺や導管の上皮から発生する。良性なら扁平上皮系の乳頭腫、腺上皮系の腺腫、悪性なら「〜癌(癌腫)」——扁平上皮癌、腺癌、尿路上皮癌となる。一方の非上皮性腫瘍は、結合組織・筋・脂肪・骨・軟骨・血管・末梢神経といった間葉系組織から発生し、良性は「〜腫」(脂肪腫、平滑筋腫、骨腫、神経鞘腫)、悪性は「〜肉腫」(脂肪肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫)と命名される。悪性の語尾(癌腫か肉腫か)は見分けやすいが、良性はどちらも「〜腫」で終わるため、名前の前半にある母地の細胞名を思い出す習慣をつけるとよい。上皮性か非上皮性かは転移形式の違い(癌腫はリンパ行性が多く、肉腫は血行性が多い)にもつながるので、分類の出発点として重要である。

✓ 1. 正しい
腺腫
胃・大腸・甲状腺・下垂体などの腺上皮から発生する良性の上皮性腫瘍。大腸腺腫の一部は腺腫-癌連関を経て腺癌に進むため、内視鏡検査で発見された段階での切除が行われる。
✗ 2. 誤り
平滑筋腫
平滑筋細胞から発生する良性の非上皮性(間葉系)腫瘍。子宮筋腫が代表で、成人女性に高い頻度でみられる。
✗ 3. 誤り
脂肪肉腫
脂肪組織由来の悪性非上皮性腫瘍。良性の脂肪腫と対をなし、後腹膜や大腿深部に好発する。語尾の「肉腫」が非上皮性の悪性を示す。
✗ 4. 誤り
神経鞘腫
末梢神経を包むシュワン細胞から発生する良性の非上皮性腫瘍。聴神経(前庭神経)に生じる聴神経鞘腫が知られる。
ポイント
  • 上皮性か非上皮性かが腫瘍分類の第一関門。上皮性の悪性=癌腫、非上皮性の悪性=肉腫。
  • 上皮性良性:乳頭腫、腺腫。上皮性悪性:扁平上皮癌、腺癌、尿路上皮癌。
  • 非上皮性良性:脂肪腫、平滑筋腫、骨腫、軟骨腫、血管腫、神経鞘腫。非上皮性悪性:脂肪肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫。
  • 癌腫はリンパ行性転移が多く、肉腫は血行性転移が多い。
  • 白血病・悪性リンパ腫は造血系(非上皮性)の悪性腫瘍だが「〜肉腫」の語尾をとらない例外として押さえる。
比較表
発生母地良性悪性主な転移形式
上皮性(扁平上皮)乳頭腫扁平上皮癌リンパ行性が多い
上皮性(腺上皮)腺腫腺癌リンパ行性が多い
非上皮性(脂肪)脂肪腫脂肪肉腫血行性が多い
非上皮性(平滑筋)平滑筋腫平滑筋肉腫血行性が多い
非上皮性(骨)骨腫骨肉腫血行性(肺転移)
非上皮性(末梢神経)神経鞘腫悪性末梢神経鞘腫瘍血行性が多い
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