学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §4 頭・頸部、四肢と体幹の運動(筋の作用および神経支配を含む) / QJ29A110

理由で解く 柔道整復師

QJ29A110 運動学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問110
問題
肘の屈曲に関与しないのはどれか。
選択肢
1 上腕筋
2 烏口腕筋
3 腕橈骨筋
4 円回内筋
解答
正解2(烏口腕筋)
解説

選択肢2の烏口腕筋は肩関節だけをまたぐ筋で、肘関節を越えないため肘の屈曲には関与しない。ほかの3つはいずれも肘関節の前面を越えて屈曲に働く。

筋の作用は「起始から停止までにどの関節をまたぐか」で決まる。烏口腕筋は肩甲骨の烏口突起から起こり、上腕骨骨幹部中央の内側面に停止するため、越えるのは肩関節のみで、作用は肩関節の屈曲と内転にとどまる。これに対し、上腕筋は上腕骨前面から尺骨粗面へ、腕橈骨筋は上腕骨外側顆上稜から橈骨茎状突起へ、円回内筋は上腕骨内側上顆と尺骨鈎状突起から橈骨中央外側面へ走り、いずれも肘関節の前面(屈曲側)を通過するので屈曲モーメントを生む。肘屈曲の主力は上腕二頭筋と上腕筋で、腕橈骨筋は前腕中間位で有効に働き、円回内筋は回内を伴う場面で補助的に加わる。この種の設問では、筋名から作用を思い出す前に「肘をまたぐかどうか」を確認する手順にすると迷いが少ない。

✓ 2. 関与しない(これが答え)
烏口腕筋
烏口突起から上腕骨中央部内側に停止し、肘関節をまたがない。作用は肩関節の屈曲と内転であり、肘の屈曲には働かない。
✗ 1. 肘の屈曲に関与する(答えではない)
上腕筋
上腕骨前面から尺骨粗面に停止する純粋な肘屈筋。前腕の肢位に左右されず屈曲に働く主働筋である。
✗ 3. 肘の屈曲に関与する(答えではない)
腕橈骨筋
上腕骨外側顆上稜から橈骨茎状突起へ走り肘関節を越える。前腕中間位での屈曲に有効に働く。
✗ 4. 肘の屈曲に関与する(答えではない)
円回内筋
上腕骨内側上顆などから橈骨外側面へ走り、肘関節前面を越える。主作用は前腕回内だが、肘屈曲の補助にも働く。
ポイント
  • 作用を問われたら、まず「その筋がどの関節をまたぐか」を確認する。またがない関節には作用しない。
  • 烏口腕筋=烏口突起 → 上腕骨中央内側。肩関節のみをまたぎ、屈曲・内転に働く。
  • 肘屈曲の主働筋は上腕二頭筋と上腕筋。腕橈骨筋・円回内筋は補助的に働く。
  • 腕橈骨筋は前腕中間位、上腕二頭筋は回外位で肘屈曲に有利という肢位の違いもあわせて押さえる。
  • 烏口突起に付く筋は烏口腕筋・上腕二頭筋短頭・小胸筋の3つ。このうち肘をまたぐのは上腕二頭筋短頭のみ。
比較表
またぐ関節肘屈曲への関与主な作用
上腕筋肘関節主働筋肘屈曲(純粋な屈筋)
腕橈骨筋肘関節あり肘屈曲(前腕中間位で有効)
円回内筋肘関節・近位橈尺関節補助前腕回内、肘屈曲の補助
烏口腕筋肩関節のみなし肩関節の屈曲・内転
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