学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ29A100

理由で解く 柔道整復師

QJ29A100 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問100
問題
下肢の屈曲反射時に起こるのはどれか。
選択肢
1 刺激側の伸筋群の収縮
2 刺激側の屈筋群の弛緩
3 刺激の反対側の伸筋群の収縮
4 刺激の反対側の屈筋群の収縮
解答
正解3(刺激の反対側の伸筋群の収縮)
解説

屈曲反射が起きると、刺激を受けた側では屈筋が収縮して足を引っ込め、同時に反対側では伸筋が収縮して体重を支えます。この対側の反応を交叉性伸展反射といいます。

画びょうを踏んだ場面を思い浮かべてください。まず痛みを感じた足を素早く引っ込める必要があるので、刺激側では屈筋が収縮し、同時に拮抗筋である伸筋は弛緩します(相反神経支配)。ところが片脚を上げれば体は倒れてしまうため、反対側の脚では逆に伸筋が収縮し屈筋が弛緩して、全体重を支える柱になります。これが交叉性伸展反射です。仕組みとしては、侵害受容器からの求心性入力が脊髄に入り、介在ニューロンを介して同側と対側の運動ニューロンへ振り分けられる多シナプス反射で、単シナプス性の伸張反射(膝蓋腱反射など)とは経路が異なります。「引っ込める側=屈曲、支える側=伸展」と身体の動きで覚えれば、選択肢を1つずつ照合できます。

✓ 3. これが答え
刺激の反対側の伸筋群の収縮
刺激側の脚が持ち上がるため、反対側の脚は伸筋を収縮させて体重を支えます。これが交叉性伸展反射で、姿勢を崩さずに危険から逃れるための合理的な反応です。
✗ 1. 当てはまらない
刺激側の伸筋群の収縮
刺激側では屈筋が収縮するため、拮抗筋である伸筋は相反神経支配によって弛緩します。刺激側で伸筋が収縮しては足を引っ込められません。
✗ 2. 当てはまらない
刺激側の屈筋群の弛緩
刺激側の屈筋は弛緩ではなく収縮します。屈筋が縮むことで下肢が屈曲し、侵害刺激から素早く離れることができます。屈曲反射の中心となる反応です。
✗ 4. 当てはまらない
刺激の反対側の屈筋群の収縮
反対側では伸筋が収縮し、屈筋は弛緩します。両脚とも屈曲してしまえば身体を支えられず転倒してしまうため、支持側は伸展するのが理にかなっています。
ポイント
  • 屈曲反射(逃避反射):侵害刺激を受けた側で屈筋が収縮し、伸筋が弛緩して肢を引っ込める。
  • 交叉性伸展反射:同時に反対側で伸筋が収縮し屈筋が弛緩して、体重を支え姿勢を保つ。
  • 拮抗筋が同時に働かないよう調節する仕組みを相反神経支配という。
  • 屈曲反射は介在ニューロンを含む多シナプス反射。膝蓋腱反射などの伸張反射は単シナプス反射。
  • 「引っ込める側は屈曲、支える側は伸展」と動きのイメージで整理すると取り違えない。
比較表
刺激側(同側)刺激の反対側(対側)
屈筋群収縮弛緩
伸筋群弛緩収縮
肢の動き屈曲して引っ込める伸展して体重を支える
反射の名称屈曲反射(逃避反射)交叉性伸展反射
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