学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ30A084

理由で解く 柔道整復師

QJ30A084 生理学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午前 問84
問題
大脳皮質領野と損傷症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 前頭連合野・視覚失認
2 頭頂連合野半側空間失認
3 側頭連合野自発運動の減少
4 ウェルニッケ野 -運動性失語
解答
正解2(頭頂連合野半側空間失認)
解説

半側空間失認(半側空間無視)は頭頂連合野、とくに右頭頂葉の損傷で生じます。連合野は「前頭=意欲と遂行」「頭頂=空間と身体」「側頭=認知と記憶」で整理すると組合せ問題に強くなります。

前頭連合野は計画・判断・意欲・社会的行動を担い、損傷すると自発性の低下や脱抑制、人格変化が現れます。頭頂連合野は体性感覚と視覚の情報を統合して身体図式と外界の空間を作るため、損傷すると反対側の空間を無視する半側空間失認、着衣失行、左右失認などが出ます。側頭連合野は「見たものが何か」を判定する経路と記憶に関わり、損傷で視覚失認や相貌失認が生じます。言語野については、下前頭回のブローカ野が運動性(表出性)失語、上側頭回後部のウェルニッケ野が感覚性(受容性)失語に対応します。選択肢 1 と 3 は前頭と側頭が入れ替わっており、4 はブローカ野との取り違えです。

✓ 2. 正しい
頭頂連合野半側空間失認
頭頂連合野は空間認知と身体図式の中枢です。右半球が障害されると左側の空間に注意が向かず、左側の食事を残す、左側にぶつかるといった症状が出ます。リハビリでは無視側へ注意を誘導する声かけや環境設定を行います。
✗ 1. 誤り
前頭連合野・視覚失認
視覚失認(見えているのに何かわからない)は後頭葉から側頭連合野にかけての腹側視覚経路の障害で生じます。前頭連合野の損傷で目立つのは意欲低下や脱抑制、遂行機能障害です。
✗ 3. 誤り
側頭連合野自発運動の減少
自発運動や意欲の減少(無為・無関心)は前頭連合野の損傷でみられる症状です。側頭連合野の損傷では視覚性の認知障害や記憶障害が前面に出ます。
✗ 4. 誤り
ウェルニッケ野 -運動性失語
ウェルニッケ野は聴覚性の言語理解を担い、損傷では言葉は流暢に出るが意味が通らない感覚性失語になります。運動性失語を起こすのはブローカ野です。
ポイント
  • 前頭連合野=意欲・遂行機能。損傷で自発性低下、脱抑制、人格変化。
  • 頭頂連合野=空間と身体図式。損傷で半側空間失認、着衣失行、左右失認。
  • 側頭連合野=物体・顔の認知と記憶。損傷で視覚失認、相貌失認。
  • ブローカ野(下前頭回)=運動性失語、ウェルニッケ野(上側頭回後部)=感覚性失語。
  • 半側空間失認は右半球損傷で左側に出やすい(右半球が両側の空間注意を担うため)。
比較表
領野主な機能損傷でみられる症状
前頭連合野計画・判断・意欲・抑制自発性低下、脱抑制、遂行機能障害
頭頂連合野空間認知・身体図式半側空間失認、着衣失行、左右失認
側頭連合野物体・顔の認知、記憶視覚失認、相貌失認、記憶障害
ブローカ野言語の表出運動性(表出性)失語
ウェルニッケ野言語の理解感覚性(受容性)失語
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