学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §6 栄養と代謝 / QJ29A091

理由で解く 柔道整復師

QJ29A091 生理学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午前 問91
問題
栄養素の代謝で正しいのはどれか。
選択肢
1 脂肪酸は β酸化により代謝される。
2 アミラーゼは蛋白質分解酵素である。
3 糖質は脂肪よりもエネルギー発生量が大きい。
4 一日に必要なビタミンCは生体内で合成される。
解答
正解1(脂肪酸は β酸化により代謝される。)
解説

脂肪酸はミトコンドリア内でβ酸化を受け、炭素2個ずつ切り離されてアセチルCoAとなり、クエン酸回路へ入ります。これが正しい記述です。

三大栄養素は最終的にアセチルCoAという共通の入り口からクエン酸回路に合流します。糖質は解糖系でピルビン酸を経てアセチルCoAへ、脂肪酸はβ酸化でアセチルCoAへ、アミノ酸は脱アミノ後に回路の各所へ入ります。β酸化という名前は、脂肪酸のカルボキシル基から数えてβ位の炭素が酸化される反応に由来し、1サイクルごとにアセチルCoAが1分子とNADH・FADH₂が生じます。脂肪酸は炭素と水素の比率が高く酸素が少ないため、燃やしたときに取り出せるエネルギーが大きく、1 gあたり約9 kcalと糖質・蛋白質(各約4 kcal)の2倍以上になります。これが「脂肪が効率のよい貯蔵形態である」ことの化学的な理由です。

✓ 1. 正しい
脂肪酸は β酸化により代謝される。
脂肪酸はミトコンドリア内でβ酸化を受け、炭素2個単位でアセチルCoAに切り出されます。同時にNADH・FADH₂が生じ、クエン酸回路と電子伝達系を経て多量のATPが得られます。
✗ 2. 誤り
アミラーゼは蛋白質分解酵素である。
アミラーゼはデンプンを二糖類へ分解する糖質分解酵素で、唾液と膵液に含まれます。蛋白質を分解するのはペプシン、トリプシン、キモトリプシンなどです。
✗ 3. 誤り
糖質は脂肪よりもエネルギー発生量が大きい。
1 gあたりの発生エネルギーは糖質約4 kcal、蛋白質約4 kcal、脂肪約9 kcalで、脂肪が最大です。大小関係が逆になっています。「4・4・9」と数字で覚えておくと確実です。
✗ 4. 誤り
一日に必要なビタミンCは生体内で合成される。
ヒトはビタミンC合成に必要な酵素を欠いており、体内で合成できません。そのため食事から摂取する必要があり、不足すると壊血病を生じます。日々の摂取が欠かせないビタミンです。
ポイント
  • 脂肪酸はミトコンドリアでβ酸化を受け、アセチルCoAとなってクエン酸回路へ入る。
  • 1 gあたりのエネルギーは糖質4 kcal・蛋白質4 kcal・脂肪9 kcal(4・4・9)。
  • アミラーゼは糖質分解酵素(唾液・膵液)。蛋白質分解はペプシン・トリプシンなど。
  • ヒトはビタミンCを合成できないため食事からの摂取が必要。欠乏で壊血病。
  • 三大栄養素はいずれもアセチルCoAを経てクエン酸回路に合流する。
比較表
栄養素1 gあたりおもな消化酵素代謝経路
糖質約4 kcalアミラーゼ、マルターゼなど解糖系→ピルビン酸→アセチルCoA
蛋白質約4 kcalペプシン、トリプシン、キモトリプシン脱アミノ→クエン酸回路へ
脂肪約9 kcal膵リパーゼβ酸化→アセチルCoA
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