学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §6 栄養と代謝 / QJ27A067

理由で解く 柔道整復師

QJ27A067 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問67
問題
電子伝達系で最終的に産生されるのはどれか。
選択肢
1
2 脂肪酸
3 アンモニア
4 ピルビン酸
解答
正解1(水)
解説

電子伝達系の最終産物はである。運ばれてきた電子が最後に酸素へ渡され、水素イオンと結びついて水ができる。

電子伝達系はミトコンドリア内膜に組み込まれた一連の複合体で、解糖系・クエン酸回路・β酸化で生じたNADHとFADH2が電子を持ち込む。電子は複合体I〜IVを順に流れ、最終段階の複合体IV(シトクロムcオキシダーゼ)で酸素(O2)に渡され、H+と結合して水になる。電子が流れる過程でH+がマトリックスから膜間腔へ汲み出され、生じたプロトン濃度勾配を利用してATP合成酵素がADPからATPを合成する(酸化的リン酸化)。つまり酸素は「電子の最終受け取り役」であり、ヒトが呼吸で酸素を必要とする理由そのものがここにある。酸素がなければ電子の流れが止まってATPが作れなくなる、という因果で理解しておきたい。

✓ 1. 正しい
複合体IVで酸素が電子を受け取り、H+と結合して水(H2O)が生成される。電子伝達系そのものの最終産物であり、同時に生じたプロトン勾配がATP合成の駆動力となる。
✗ 2. 誤り
脂肪酸
脂質の構成成分であり、ミトコンドリアではβ酸化によって「分解される」側である。分解の過程で生じたNADH・FADH2が電子伝達系に電子を供給するので、産物ではなく供給源にあたる。
✗ 3. 誤り
アンモニア
アミノ酸からアミノ基が外れる脱アミノ反応で生じる有害物質で、肝臓の尿素回路で尿素に変えられて腎から排泄される。蛋白質代謝の産物であり、電子伝達系とは経路が異なる。
✗ 4. 誤り
ピルビン酸
細胞質で進む解糖系の最終産物である。好気的条件ではミトコンドリアに入ってアセチルCoAとなりクエン酸回路へ、嫌気的条件では乳酸に変わる。電子伝達系より前の段階の物質である。
ポイント
  • 電子伝達系=ミトコンドリア内膜。最終産物は、同時にATPが作られる。
  • NADH・FADH2が運んだ電子は複合体I〜IVを流れ、最後に酸素が受け取る。
  • 電子の流れでH+が膜間腔に汲み出され、その勾配でATP合成酵素が働く(酸化的リン酸化)。
  • 解糖系(細胞質)→ピルビン酸、クエン酸回路(ミトコンドリア基質)→CO2とNADH/FADH2、と場所と産物をセットで覚える。
  • グルコース1分子から好気的には最大約32〜38分子のATPが得られ、その大部分が電子伝達系由来。
比較表
経路場所主な産物酸素
解糖系細胞質ピルビン酸、ATP 2、NADH不要
クエン酸回路ミトコンドリア基質CO2、NADH、FADH2、GTP直接は不要
電子伝達系ミトコンドリア内膜、ATP(大部分)必要(最終電子受容体)
β酸化ミトコンドリア基質アセチルCoA、NADH、FADH2直接は不要
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