学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §6 栄養と代謝 / QJ27A066

理由で解く 柔道整復師

QJ27A066 生理学

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問66
問題
水溶性ビタミンはどれか。
選択肢
1 ビタミンA
2 ビタミンB1
3 ビタミンD
4 ビタミンK
解答
正解2(ビタミンB1)
解説

脂溶性ビタミンはA・D・E・Kの4つだけで、それ以外のビタミンB群とビタミンCはすべて水溶性である。選択肢のうちB群に属するビタミンB1が水溶性にあたる。

水に溶けるか脂に溶けるかの違いが、そのまま吸収経路と体内での動きを決める。脂溶性ビタミンは脂質とともに胆汁酸ミセルに取り込まれて小腸から吸収され、リンパ管(乳び管→胸管)を経て血中に入り、肝臓や脂肪組織に蓄えられる。そのため欠乏が現れるまでに時間がかかる一方、とりすぎれば過剰症を起こしうる。胆汁分泌障害や脂肪吸収障害があると欠乏しやすい点も脂溶性ならではの特徴である。水溶性ビタミンは小腸上皮から吸収されて門脈血に入り、余った分は腎臓から尿中へ捨てられるので体内に溜まりにくく、毎日こまめに摂ることが欠乏の予防につながる。ただしビタミンB12は例外で、胃壁細胞が分泌する内因子と複合体をつくって回腸末端で吸収され、肝臓に数年分が貯蔵される。したがって胃全摘後や回腸切除後でも欠乏(悪性貧血)が顕在化するまでに年単位を要する。ビタミンB1(チアミン)は活性型のチアミンピロリン酸(TPP)としてピルビン酸脱水素酵素などの補酵素になり糖代謝に不可欠で、欠乏すると脚気(末梢神経障害・心不全)やウェルニッケ脳症を生じる。

✓ 2. 正しい
ビタミンB1
ビタミンB1(チアミン)は代表的な水溶性ビタミンである。活性型のTPPとしてピルビン酸脱水素酵素・α-ケトグルタル酸脱水素酵素・トランスケトラーゼの補酵素として働き、糖代謝の要となる。余剰分は尿中へ排泄されて蓄積しないため継続的な摂取が必要で、欠乏すると脚気やウェルニッケ脳症を来す。
✗ 1. 誤り
ビタミンA
脂溶性ビタミンである。視細胞の視物質ロドプシンの成分となり、上皮の維持にも関わる。欠乏すると夜盲症や角膜乾燥症を生じる。肝臓に貯蔵されるため、過剰摂取では頭蓋内圧亢進や肝障害などの過剰症も起こりうる。
✗ 3. 誤り
ビタミンD
脂溶性ビタミンである。皮膚で紫外線により生成され、肝臓と腎臓で水酸化されて活性型となり、腸管からのカルシウム吸収を高める。欠乏すると小児ではくる病、成人では骨軟化症となる。過剰では高カルシウム血症を来す。
✗ 4. 誤り
ビタミンK
脂溶性ビタミンである。肝臓での血液凝固因子(第II・VII・IX・X因子)の合成に必要で、欠乏すると出血傾向を来す。新生児では腸内細菌が未発達で欠乏しやすく、新生児メレナや頭蓋内出血の予防に投与が行われる。
ポイント
  • 脂溶性はA・D・E・Kの4つだけ。「DAKE(だけ)が脂溶性」と丸ごと覚え、残るビタミンB群とCはすべて水溶性と裏返しで判断する。
  • 水溶性=小腸から門脈へ吸収され、余剰は尿中に排泄。蓄積しないので毎日の摂取が必要で、欠乏症が比較的早く出る。ただしビタミンB12は例外で、内因子を介して回腸末端で吸収され肝臓に数年分が貯蔵されるため、欠乏が現れるまでに年単位かかる。
  • 脂溶性=胆汁酸ミセルとともに吸収されリンパ管(胸管)経由で血中へ。肝臓・脂肪組織に貯蔵されるため過剰症に注意し、胆汁分泌障害や脂肪吸収障害では欠乏に注意する。
  • ビタミンB1はTPPとしてピルビン酸脱水素酵素・α-ケトグルタル酸脱水素酵素・トランスケトラーゼの補酵素。欠乏で脚気(末梢神経障害・心不全)やウェルニッケ脳症
  • 脂溶性の代表的欠乏症も対で押さえる。A=夜盲症・角膜乾燥症、D=くる病・骨軟化症、E=溶血性貧血、K=出血傾向(新生児メレナ)。
比較表
比較項目脂溶性ビタミン(A・D・E・K)水溶性ビタミン(B群・C)
吸収に必要なもの胆汁酸・膵リパーゼ(脂質の消化吸収に依存)原則不要(小腸上皮から吸収)。ただしB12は内因子が必須
主な吸収部位小腸(ミセルから脂質とともに)小腸。B12は回腸末端
吸収後の経路リンパ管(乳び管→胸管)→静脈門脈→肝臓
体内貯蔵肝臓・脂肪組織に蓄積するほとんど蓄積しない(B12は肝に数年分を貯蔵
余剰分の行方排泄されにくい尿中へ排泄される
欠乏の現れ方比較的ゆっくり比較的早い(毎日の摂取が必要)。B12は例外で年単位
臨床で気をつける点過剰症(A・Dなど)、脂肪吸収障害での欠乏欠乏症、調理・水さらしによる損失。B12は胃全摘後・回腸切除後の欠乏
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